“吊(とぶら)” の例文
渝(かは)らぬ契(ちぎ)りの誰(た)れなれや千年(せんねん)の松風(しようふう)颯々(さつ/\)として血汐(ちしほ)は殘(のこ)らぬ草葉(くさば)の緑(みどり)と枯(か)れわたる霜(しも)の色(いろ)かなしく照(て)らし出(い)だす月(つき)一片(いつぺん)何(なん)の恨(うら)みや吊(とぶら)ふらん此處(こゝ)鴛鴦(ゑんあう)の塚(つか)の上(うへ)に。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
平常(つね)は道理(だうり)がよく解(わか)る人(ひと)ではないか、氣(き)を靜(しづ)めて考(かんが)へ直(なほ)して呉(く)れ、植村(うゑむら)の事(こと)は今更(いまさら)取(とり)かへされぬ事(こと)であるから、跡(あと)でも懇(ねんごろ)に吊(とぶら)つて遣(や)れば、お前(まへ)が手(て)づから香花(かうげ)でも手向(たむけ)れば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)