トップ
>
道
>
どう
ふりがな文庫
“
道
(
どう
)” の例文
「思ふまゝの理を
顆々
(
つぶつぶ
)
と書きたらんは、後来も文はわろしと思ふとも、理だにも聞えたらば、
道
(
どう
)
のためには大切なり」(同上第二)。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
杖笠を棄てて
彳
(
たたず
)
んだ順礼、
道
(
どう
)
しゃの姿に見せる、それとても行くとも
皈
(
かえ
)
るともなく
煢然
(
けいぜん
)
として独り
佇
(
たたず
)
むばかりで、往来の人は
殆
(
ほとん
)
どない。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大隅は手に持っていた
洋杖
(
ステッキ
)
をとりなおして、そこについていた
釦
(
ボタン
)
を押すと、
把手
(
ハンドル
)
のところからサッと一
道
(
どう
)
の光が流れだした。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この回の「大原御幸」は、古典平家物語では、もう一章の「六
道
(
どう
)
」とあわせ、いわゆる有終の美の、完結編となっている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それからどれ
位
(
くらい
)
経
(
た
)
った
時
(
とき
)
でございましょうか、ある
日
(
ひ
)
俄
(
にわ
)
かに
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まえ
)
に、一
道
(
どう
)
の
光明
(
こうみょう
)
がさながら
洪水
(
こうずい
)
のように、どっと
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せてまいりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
糟谷
(
かすや
)
の
妻
(
つま
)
もやっと
前途
(
ぜんと
)
に一
道
(
どう
)
の光をみとめて、わずかに胸のおさまりがついた。長らくのくもりもようやくうすらいで、
糟谷
(
かすや
)
の家庭にわずかな光とぬくまりとができた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
善定
(
ぜんじょう
)
兼吉、奈良太郎兼常、徳永兼宣、三
阿弥
(
あみ
)
兼高、得印兼久、良兼母、室屋兼任——この七人の
末葉
(
まつよう
)
、美濃越前をはじめとして、五
畿
(
き
)
七
道
(
どう
)
にその数およそ千百相に別れ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
仏教を大別して、
聖道門
(
しょうどうもん
)
と
易行門
(
いぎょうもん
)
とに二分します。聖道門は修業的、易行門は信仰的の区別はありますが、兎に角、根本において「
道
(
どう
)
」の存在を信じない仏教はありません。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
あの
嗚咽
(
おえつ
)
する琵琶の音が巷の軒から軒へと漂うて勇ましげな売り声や、かしましい
鉄砧
(
かなしき
)
の音と
雑
(
ま
)
ざって、別に一
道
(
どう
)
の清泉が
濁波
(
だくは
)
の間を
潜
(
くぐ
)
って流れるようなのを聞いていると、うれしそうな
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その妙にうそ淋しい、ガランとしたアスファルト
道
(
どう
)
を、恐らく当日第一の出勤者であろう一人の勤勉らしい事務員がSビルディングを目ざして、コツコツと靴音を
谺
(
こだま
)
させながら歩いていた。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
身現は仏性なりとは知らない。だから、竜樹の
法嗣
(
はっす
)
と自称するものがいかにあっても、提婆の所伝でなければ竜樹の
道
(
どう
)
と考えてはいけない。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それは
蛇形
(
だぎょう
)
の
陣
(
じん
)
のごとく、うねうねと、
裾野
(
すその
)
のあなたこなたからぬいめぐってくる一
道
(
どう
)
の
火影
(
ほかげ
)
である。多くの
松明
(
たいまつ
)
が
右往左往
(
うおうざおう
)
するさまにそういない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廊下
(
ろうか
)
のほうからこの部屋へ、ぽっと、一
道
(
どう
)
の明りがさしてきて
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「——どこかには、わが身を見ている宮方がいる。このぶんでは行く行く再起の望みも
難
(
かた
)
くはあるまい」そう一
道
(
どう
)
の光明を感受されておられたものか。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汾陽
(
ふんよう
)
はわずかに六、七人、
薬山
(
やくさん
)
は
十衆
(
じっしゅ
)
に
充
(
み
)
たなかった。しかし彼らは皆仏祖の
道
(
どう
)
を行じたゆえに、叢林盛んであると言った。見よ、竹の声に道を悟り、桃の花に心を明らむるものがある。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
いや射たと思われたのに——一
道
(
どう
)
の
黒気
(
こっき
)
が矢をも高廉の影をも、墨のごとく吹きつつんでしまっていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いつか四
道
(
どう
)
の
糧道
(
りょうどう
)
をふさがれ、洛内の食糧は極度に
枯渇
(
こかつ
)
してきたのである。いまにして、後醍醐の
帷幕
(
いばく
)
は、さきに正成がすすめた戦略を、実施させていたとみえる。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といって、あれ以来牢城役所では四
道
(
どう
)
の街道口に関所を結び、
蟻
(
あり
)
も通さぬ
検問
(
あらため
)
のきびしさとか。しかしまあ私にまかせて、ひとまず
山東
(
さんとう
)
のほうへ落ちのびてください。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「義貞もさすがよ。三
道
(
どう
)
からの、こなたの攻めを予想して、要所には堅く三陣を配しておる」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いよいよ、敵がよせてきました。山手、街道、浜づたいの三
道
(
どう
)
から——。オオ海上にも」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
京都では、暮の二十九日、なんとなく
殺伐
(
さつばつ
)
な気の
失
(
う
)
せない中にも、一
道
(
どう
)
の平和らしさが流れていた。尊氏の母堂やら妻子
眷属
(
けんぞく
)
が、丹波から迎えとられて、都入りしていたのであった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
怪人
(
かいじん
)
呂宋兵衛がこの
幕
(
まく
)
のうらにしのんでいて、
石見守
(
いわみのかみ
)
と
腹
(
はら
)
をあわせ、かれ一
流
(
りゅう
)
の
邪法
(
じゃほう
)
をおこなって、
試合場
(
しあいじょう
)
に一
道
(
どう
)
の
悪気
(
あっき
)
をおくり、
衆人
(
しゅうじん
)
の眼をげんわくさせているのではないかしら?
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄の
閂
(
かんぬき
)
をはずす音がして、明暗の境をなすおもい
扉
(
とびら
)
が、ギ、ギ、ギイ……と一、二寸ずつ
開
(
ひら
)
いてきたので、暗黒のなかに立っていた才蔵と燕作のすがたへ、一
道
(
どう
)
の光線が水のごとくそそぎ流れた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千鳥の泳いでゆくように、舟の列は、
道
(
どう
)
三
橋
(
ばし
)
下
(
した
)
へと漕ぎ上ってゆく。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは一
道
(
どう
)
の
奔
(
はし
)
る炎となって城頭城門へ燃えついたが、また、たちどころに、公孫勝が呼んだ
沛然
(
はいぜん
)
たる雨に打ち消され、かえって豪雨は白い電光を
孕
(
はら
)
み、
霹靂
(
へきれき
)
一
声
(
せい
)
、雲のなかで爆雷となって鳴った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八人法師の
拍子打
(
ひょうしう
)
ちに始まって、
簓踊
(
ささらおど
)
りは本座の
阿古
(
あこ
)
、
乱
(
らん
)
どり舞は新座の彦夜叉、
刀
(
かたな
)
玉取りは
道
(
どう
)
一と、おのおの妙技をつくして、
猿楽
(
さるがく
)
の一と幕も佳境に入り、やがて将軍家の
桟敷
(
さじき
)
わきの橋がかりから
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“道”を含む語句
道理
道化
天道
大道
直道
隧道
道程
道路
道中
街道
道具
道楽
桟道
並木道
道徳
人道
坑道
非道
馬道
軌道
...