“鉄砧”のいろいろな読み方と例文
旧字:鐵砧
読み方割合
かなしき80.0%
かなとこ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鉄蹄てっていの真赤になったのが鉄砧かなしきの上に置かれ、火花が夕闇を破って往来の中ほどまで飛んだ。話していた人々がどっと何事をか笑った。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
盛んに鉄砧かなしきを叩いているところへ、同じ種族の一人の子供が糸の切れたギターを持って来て、向槌むこうづちを打っている男に直してくれと頼む。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鍛冶屋は、馬車が通ると、馬の踵を両膝に抱きこんだまま、手を休める。鉄砧かなとこのまわりに並んだ弟子たちは、鳴りひびくつちをしばらく止めて、鉄が冷えるままにしておく。
駅馬車 (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
そして鉄砧かなとこのやうに熱くなつてゐる地べたを、どこをあてどともなく這ひ廻つてゐたが、乾いた砂がからだ中にへばりつくので、自分でもどつちが頭だか、尻尾だか見境がつかなかつたらしく
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)