“かなしき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鉄砧33.3%
鉄敷25.0%
金敷12.5%
鉄碪8.3%
鐵砧8.3%
鉄台4.2%
鐡床4.2%
鐡砧4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
盛んに鉄砧かなしきを叩いているところへ、同じ種族の一人の子供が糸の切れたギターを持って来て、向槌むこうづちを打っている男に直してくれと頼む。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
外界の刺戟によって発動した自己の感激、意望というものを、一先ず、能う限り公正な謙虚な省察の鉄敷かなしきの上にのせ、容赦なく批判の力で鍛えて見る。
われを省みる (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
技師長「重要資源がなくなれば、間に合わせの仕事で不足を補わなければならない。つまらんことで忙しくなるのさ。溶接工ようせつこうが、ハンマー取って金敷かなしきの上を叩いたりするようなことになるよ」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
全自然は、蓄積された力の爆発を待ち、重々しく振り上げられ、黒雲の鉄碪かなしきの上に一挙に打ちおろされんとする、鉄槌てっついの打撃を待っている。陰惨な熱い大きな影が通り過ぎる。熱火の風が吹き起こる。
山上にまで、テンカン、テンカン、こだましてきたのはここの鎚音つちおと鉄台かなしきの響きにちがいない。手を休めた三人の鍛冶工は、鼻の穴から目ヤニまですみにした真っ黒けな顔を揃えて、智深の姿を見まもった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この眞理を我に現はす所のあかしが、ともなへる諸〻のわざ(即ち自然がその爲くろがねを燒きまたは鐡床かなしきを打しことなき)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
鍛冶屋の主人は馬の脚を膝に載せたままで、車が勢よく走りすぎるのを見ながら、手を休める。鐡砧かなしきの周圍の巨人サイクロプスたちは打鳴す鐡鎚をしばし止めて、鐡のめるのも構はない。
駅伝馬車 (旧字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)