鉄砧かなとこ)” の例文
旧字:鐵砧
鍛冶屋は、馬車が通ると、馬の踵を両膝に抱きこんだまま、手を休める。鉄砧かなとこのまわりに並んだ弟子たちは、鳴りひびくつちをしばらく止めて、鉄が冷えるままにしておく。
駅馬車 (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
そして鉄砧かなとこのやうに熱くなつてゐる地べたを、どこをあてどともなく這ひ廻つてゐたが、乾いた砂がからだ中にへばりつくので、自分でもどつちが頭だか、尻尾だか見境がつかなかつたらしく
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)