“尻居”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しりい50.0%
しりゐ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
猪熊いのくまおじは、尻居しりいに倒れて、とび出しそうに大きく目を見ひらいたが、急に恐怖と苦痛とに堪えられなくなったのであろう、あわてて高這たかばいにいのきながら声をふるわせて、わめき立てた。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
砲台の真中まなかに破裂せし敵の大榴弾だいりゅうだんの乱れ飛ぶにうたれて、尻居しりいにどうと倒れつつはげしき苦痛に一時われを失いしが、苦痛のはなはだしかりしわりに、脚部の傷は二か所とも幸いに骨をけて
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ずんと切落きりおとせば掃部はたまらず尻居しりゐどうたふれつゝヤア殘念ざんねんうらめしやだまし討とは卑怯ひけふ未練みれん是重四郎殿何者か我があし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彦六一七六用意なき男なれば、今は何かあらん、いざこなたへわたり給へと、戸を明くる事なかばならず、となりの軒にあなやと叫ぶ声耳をつらぬきて、思はず一七七尻居しりゐに座す。