どう)” の例文
障子が段々だんだんまぶしくなって、時々吃驚びっくりする様な大きなおとをさしてドサリどうと雪が落ちる。机のそばでは真鍮しんちゅう薬鑵やかんがチン/\云って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
どうと投出す機會はずみに切込九郎兵衞がやいばあつと一聲さけび女の體は二ツになり無慚むざんの最期に惣内はお里と心得心もそらおのれ女房のかたきめと追詰々々切むすび九郎兵衞諸共もろとも曲者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どうおとするを見れば、斯は如何に紅色くれなゐの洋装婦人と踊り狂へる六尺ゆたかの洋人の其の鼻もつととびに似たるが、床の滑かなるに足踏み辷らして、大山のくづるゝ如く倒れしなりけり。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
一方では、まだ崩し残りの壁など崩して居る。時々壁土かべつちどうと落ちて、ぱっと汚ない煙をあげる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
二のかたなにてもなく切殺きりころしけるにぞ馬士まごは大きに驚き仰天ぎやうてんして人殺し/\といひながら一目散に迯出にげいだすを重四郎おののがしては後日のさまたげと飛掛とびかゝつて後背うしろよりまつ二ツに切下きりさげれば馬士まごどうたふるゝ處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尻餅く様に、捨てる様に下ろす。下ろすのではない、荷が下りるのである。どうと云うはずみに大切の水がぱっとこぼれる。下ろすのも厄介だが、またかつぎ上げるのが骨だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
少し切しのみ尻居にどうと倒れたり吾助は切付られてハツとおどろにぐ機會はずみ行燈あんどう蹴返けかへして暗がりと成ければ此所ぞと滅多切めつたぎり斬散きりちらしける程に喜内は左の手を切れたり茲に於て喜内は是非なく聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)