どう)” の例文
何だ、馬鹿々々しい、俺はどうしてう時々、淺間しい馬鹿々々しい事をするだらうと、頻りに自分と云ふものが輕蔑される、…………
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「船が無事にボストンに着くかどうかは、唯私のこの腕に頼る外はありませんぞ。」
それからお吉は、また二人が餘りおとなしくして許りゐるので、店に行つて見るなり、少し街上おもてを歩いてみるなりしたらどうだと言つて
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、靜子が次の間へ立つた時、『どうだ、仲々いだらう?』と低い聲で言つたのが襖越しに聞こえた。靜子は心にいきどほつてゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、静子が次の間へ立つた時、『どうだ、仲々いだらう?』と低い声で言つたのが襖越しに聞こえた。静子は心にいきどほつてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ブラリブラリと俛首うなだれて歩いて來る。竹山は凝と月影に透して視て居たが、どうも野村らしい。帽子も冠つて居ず、首卷も卷いて居ない。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『先生にしたところで、』と、お利代は智恵子の顔をマヂ/\とみつめ乍ら、『どうせ御結婚なさらなけやなりませんでせうし……。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
然し東京の理髮師と云へば、どうやら少し意味が別なので、銀座通の寫眞でも見た事のある人は、早速源助さんの家の立派な事を想像した。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『やあ、生きだ/\。また生きだでア。』とわめきながら、皆は豐吉を先立てゝ村の方に遁げ出した。私はどうしたものか足が動かなかつた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
社長が珍重してるだけに恐ろしく筆の立つ男で、野村もそれを認めぬではないが、年が上なせゐどうしても心から竹山に服する気にはなれぬ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
然し東京の理髪師と云へば、どうやら少し意味が別なので、銀座通りの写真でも見た事のある人は、早速源助さんの家の立派な事を想像した。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
社長が珍重してるだけに恐ろしく筆の立つ男で、野村もそれを認めぬではないが、年が上な故かどううしても心から竹山に服する氣にはなれぬ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
旅人は、どうやら少し暢然ゆつたりした樣な心持で、目の前の、痩せ果てた骨と皮ばかりの赤犬を、憐む樣な氣になつて來た。で手を伸べて犬を引寄せた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
野村の聞知つた所では、此社の社長の代議士が、どうした事情の下にか知れぬけれど、或実業家から金を出さして、去年の秋小樽に新聞を起した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
釧路は、人口と云へば僅か一萬五千足らずの、漸々やう/\發達しかけた許りの小都會だのに、どうしたものか新聞が二種ふたつ出て居た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
釧路は、人口と云へば僅か一万五千足らずの、漸々発達しかけた許りの小都会だのに、どうしたものか新聞が二種ふたつ出て居た。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこでだ、若し後藤肇の行動が、後前あとさき見ずの乱暴で、其乱暴が生得うまれつきで、そして、果して真に困ツちまふものならばだね、忠志君の鼠賊根性はどうだ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お定が其夜枕についてから、一つには今日何にも働かなかつた爲か、どうしても眠れなくて、三時間許りも物思ひに耽つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
お定が其夜枕についてから、一つには今日何にも働かなかつた為か、どうしても眠れなくて、三時間許りも物思ひに耽つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
渠は又時々、郷里くににある自分の財産を親類がどうとかしたと云つて、其訴訟の手続を同宿の法学生に訊いて居た事があつた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『僕もさうだよ。日頃はこれでも仲々意氣の盛んな方なんだが、昨夜君と逢ツてからといふもの、どうしたもんか意氣地の無い事を謂ひたくなる。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
隨分近所の子供等と一緒に、裸足はだしで戸外の遊戯もやるにかゝはらず、どうしたものか顏が蒼白あをく、駈競かけくらでも相撲でも私に敗ける者は一人も無かつた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
随分近所の子供等と一緒に、裸足はだし戸外そとの遊戯もやるにかゝはらず、どうしたものか顔が蒼白く、駆競かけくらでも相撲でも私に敗ける者は一人も無かつた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこでだ、若し後藤肇の行動が、後前あとさき見ずの亂暴で、其亂暴が生來うまれつきで、そして、果して眞に困つちまふものならばだね、忠志君の鼠賊根性はどうだ。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
昨夜ゆうべ君が帰ツてから、僕はどうしても眠れなかツた。』と楠野君の声は沈む。『一体村民の中に、一人でも君の心を解してる奴があツたのかい。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『あ、もう十二時がとうに過ぎて居る。』と云ツて、少し頭をひねツて居たが、『どうだ君、今夜少し飮まうぢやないか。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
華やかな、晝を欺く街々の電燈は、どうしても人間の心を浮氣にする。情死と決心した男女が恁麼こんな街を歩くと、屹度其企てを擲つて驅落をする事にする。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『君の顔を見ると、どうしたもんだか僕あ気が沈む。奇妙なもんだね。敵の真中に居れや元気がよくて、味方と二人ツきりになると、泣きたくなツたりして。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それがどうやら老けて見える。老けて見えると同時に、妹の目からは、今迄の馴々しさが顏から消え失せた樣にも思はれる。輕い失望の影が靜子の心を掠めた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
二月の十日頃から、どうやら寒さが少しづつゆるみ出した。寒さが緩み出すと共に、何處から來たか知らぬが、港内には流氷が一杯集つて來て、時々雪が降つた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
二月の十日頃から、どうやら寒さが少しづつ緩み出した。寒さが緩み出すと共に、何処から来たか知らぬが、港内には流氷が一杯集つて来て、時々雪が降つた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それがどうやらけて見える。老けて見えると同時に、妹の目からは、今迄の馴々しさが顔から消え失せた様にも思はれる。軽い失望の影が静子の心を掠めた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
黄金の指環を喞へた鳥は、大きい輪を描いてますと周匝まはりを飛んだ。どうしたのか、此鳥だけは人の顏にならずに。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それを見ると、馬車曳の定老爺おやぢが馬を止めて、『どうしただ?』と聲をかけた。私共は皆馬車から跳下とびおりた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『さうぢや無いんですけど。』と繰返して、『どう貴兄あなたの居る間に、何とかめなけやならない事よ。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、表道を歩くのがどうやら気が咎める様で、裏路伝ひに家へ帰つた。明日返事するとは言つたものの、お定はもう心の底では確然ちやんと行く事に決つてゐたので。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
最も、殘餘の反對者と云つても、これと云ふ統率者がある譯で無いから、金次第でどうでもなるのだが。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何故といふ事もないが、予は、新体詩を作る人と聞くと、どうやら屹度自分の虫の好かぬ人に違ひないといふ様な気がする。但し逢つてみると、大抵の場合予の予想が見ン事はづれる。
どうした破目かで破産して、夫といふ人が首をくくつて死んで了つた為め、新家の家の家政を手伝ひ旁々かたがた、亡夫の忘れ形見の藤野さんを伴れて、世話になりに来たのだといふ事であつた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、此妄想から、私の頭脳あたまに描かれて居る菊池君が、どうやら、アノ髭で、権力の圧迫を春風と共に受流すと云つた様な、気概があつて、義に堅い、豪傑肌の、支那的色彩を帯びて現れた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
噫、さうだ、然だつけ、と思ふと、此過去の幻の如き巨人が、どうやら搖ぎ出す樣に見えた。が、矢張動かなんだ、地から生え拔いた樣に微塵も動かなんだ、秋天一碧の下に雪白せつぱくの衣を著て突立つたまま。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ああ、然だ、然だつけ、と思ふと、此過去の幻の如き巨人が、どうやら揺ぎ出す様に見えた。が、矢張動かなんだ、地から生え抜いた様に微塵も動かなんだ、秋天一碧の下に雪白の衣を着て突立つたまま。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
どうかなる。心配はなし。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)