“いかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イカン
語句割合
如何60.0%
遺憾21.5%
奈何7.5%
不可5.1%
衣冠3.3%
何如0.5%
偉観0.5%
不好0.2%
医官0.2%
以還0.2%
位官0.2%
作麼生0.2%
尉官0.2%
怎麼0.2%
慰浣0.2%
易簡0.2%
葦間0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また体質の如何いかんにかかわらず他の新しい婦人との触接に由って享楽しようとする欲望、或学者のいわゆる性欲上の好新欲が男にある。
私娼の撲滅について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
遺憾いかんながらこのたびも、遂に、弦之丞を討ち洩らしたが、次の機会には、必ずこの遺漏いろうの不名誉をすすぎまする、という申しわけだ。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奈何いかんせん寒微より起りて、智浅く徳すくなし、といえるは、謙遜けんそんの態度を取り、反求はんきゅうの工夫に切に、まず飾らざる、誠に美とすべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
どこまでもそれに付け込んで彼女の名誉や生命にまで関渉かんしょうせんとするときには、どっこい、それは不可いかんと毅然としてこれをしりぞける。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その時に限り上下でなく衣冠いかんを着け天神様のような風をする。供もそれに準じた服を着た。私の父も風折烏帽子かざおれえぼうし布衣ほいで供をした。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
最早有志の士も天下に意なく、山野に隠遁いんとん躬耕きゅうこうし、道を守るより向後こうご致方之無いたしかたこれなしと存候。老兄以て何如いかんと為す。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
四階建ての真四角な鉄骨貼てっこつはりの煉瓦れんがの建物が五つ六つ押しならんでいるところは、まことに偉観いかんであった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
雪江さんは屹度きっと斯ういう。これが伯父さんの先生でも有ろうものなら、口をとんがらかして、「もッと手廻てまわしして早うせにゃ不好いかん!」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「早く如何どうかせんと不好いかん!」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
また先生のおしえしたがいて赤十字社病院にいりたる後も、先生来問らいもんありてるところの医官いかんに談じ特に予が事をたくせられたるを以て、一方ひとかたならず便宜べんぎを得たり。
先生咸臨丸かんりんまる米行べいこうきょありと聞て、予が親戚しんせき医官いかん桂川氏かつらがわしかいしてその随行ずいこうたらんことを求められしに、予はこれさいわいの事なりと思い、ただちにこれをがえんじ、一けんきゅうのごとし。
乙女さんは明治四十一年以降鏑木清方かぶらききよかたいてを学び、また大正三年以還いかん跡見あとみ女学校の生徒になっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
京へ凱旋がいせんしてのち、七ほんやり連中れんちゅうをはじめ諸将しょしょうの下のものへまで、すべて、論功行賞ろんこうこうしょうをやったかれにはまた、朝廷ちょうていから、じゅ参議さんぎせらるという、位官いかんのお沙汰さたがくだる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君不酔作麼生 君とたいしてわずんば作麼生いかんせん〕
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
床にはハヤ良人おっとありて、新婦のきたるを待ちおれり。渠は名を近藤重隆と謂う陸軍の尉官いかんなり。式は別に謂わざるべし、媒妁なこうどの妻退き、介添の婦人おんな罷出まかんでつ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ト、その日は怒りを忍びて帰りぬ。——畢竟ひっきょうこの猿は何者ぞ。また狐罠の落着なりゆき怎麼いかん。そは次のまきを読みて知れかし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
混再拝シテもうス。書ならびニ詩話ヲかたじけなくス。厳粛ノ候尊体福履、家ヲ挙ゲテ慰浣いかんセリ。シテ賜フ所ノ詩話ヲ読ム。巻ヲ開イテ咫尺しせきニシテ飢涎きぜんたちまチ流ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
始めをたづねてをはりにかへらば、死生の理を知る、何ぞ其の易簡いかんにして明白なるや。吾人は當に此の理を以て自省じせうすべし。
昼のあひだのひどい暑気に蒸された川の面の臭ひに夜更けの冷気がしんしんと入れ混つて、たとへば葦間いかんの腐臭をぐやうな不思議なにおいつたもや
水に沈むロメオとユリヤ (新字旧仮名) / 神西清(著)