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不可
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いかん
ふりがな文庫
“
不可
(
いかん
)” の例文
「それはそうと、お前の家でも高輪に居据りだね。今のままでは到底
不可
(
いかん
)
ぞ。久米さんだってもそう長く頼んで置く訳には行くまい」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どこまでもそれに付け込んで彼女の名誉や生命にまで
関渉
(
かんしょう
)
せんとするときには、どっこい、それは
不可
(
いかん
)
と毅然としてこれを
斥
(
しりぞ
)
ける。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
植民地的な、活氣のある氣風の多少殘つてる處もあるかも知れないが、此函館の如きは、まあ
全然
(
まるで
)
駄目だね。内地に一番近い丈それ丈
不可
(
いかん
)
。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人生
(
ライフ
)
、
々々
(
ライフ
)
というが、
人生
(
ライフ
)
た一体何だ。一個の
想念
(
ノーション
)
じゃないか。今の文学者連中に聞き度いのは、よく人生に触れなきゃ
不可
(
いかん
)
と云う、其人生だ。
私は懐疑派だ
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
左様
(
さう
)
さナ」と主人は頬
撫
(
な
)
でつゝ「
先
(
ま
)
づ不敬罪あたりへ持つて行くのだ、吹つ掛けは
成
(
な
)
るべく大きくないと
不可
(
いかん
)
からナ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
「おい、声を出しちゃあ
不可
(
いかん
)
、黙っていな、
優
(
おとな
)
しくしてついてお
出
(
いで
)
。あれそれ謂っちゃあ第一何だ、お前の恥だ。往来で見ッともない、人が目をつけて顔を見るよ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「気を付けないと
不可
(
いかん
)
よ。少し低気圧が来ているから」と注意した。代助は立ち掛けながら
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『お前大分やつれたぢやないか。医者に見てもらはなくちや
不可
(
いかん
)
。』
若芽
(新字旧仮名)
/
島田清次郎
(著)
「女気が無いと寂しくて
不可
(
いかん
)
」
天草四郎の妖術
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
私
(
わたくし
)
は酒は
不可
(
いかん
)
のです」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
どうしても東京に置いちゃ
不可
(
いかん
)
……満洲の方にでも追って遣らにゃ不可……今度行ったら、俺がギュウという目に逢わせてくれる
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
植民地的な、活気のある気風の多少残ツてゐる処もあるかも知れないが、此函館の如きは、まあ
全然
(
まるで
)
駄目だね。内地に一番近い丈それ丈
不可
(
いかん
)
。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「気を
付
(
つ
)
けないと
不可
(
いかん
)
よ。少し低気圧が
来
(
き
)
てゐるから」と注意した。代助は
立
(
た
)
ち掛けながら
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
可
(
よ
)
し、婿さんは癪に障ったろう。癪に障ったろうが、また夫人その人の身になって、その時には限らぬが、すべて神月の性質と、
行
(
おこない
)
を見た時の夫人の失望を察せんけりゃ
不可
(
いかん
)
。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
之を制止する声
却
(
かへつ
)
て難船者の救助を求むる叫喚の如くぞ響く「
最早
(
もう
)
立錐
(
りつすゐ
)
の地が無いのだ」「コラ、垣を越えては
不可
(
いかん
)
」「
圧
(
お
)
すな/\」「
提灯
(
ちやうちん
)
が
潰
(
つ
)
ぶれるワ」「痛い/\」「ヤア/\」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
正直の理想にも叶って居らん……と思うものの、また一方では、同じく「
正直
(
しょうじき
)
」から出立して、親の
臑
(
すね
)
を噛っているのは
不可
(
いかん
)
、独立独行、
誰
(
たれ
)
の恩をも
被
(
き
)
ては
不可
(
いかん
)
、となる。すると勢い金が欲しくなる。
予が半生の懺悔
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『はゝゝゝゝ、君は直に
左様
(
さう
)
怒
(
おこ
)
るから
不可
(
いかん
)
。なにも君だと言つた訳では無いよ。
真箇
(
ほんたう
)
に、君のやうな人には
戯語
(
じようだん
)
も言へない。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
浪人といふと、チヨン髷頭やブツサキ羽織を連想して
不可
(
いかん
)
が、放浪の民だね、世界の平民だね、——名は
幾何
(
いくら
)
でもつく、地上の遊星といふ事も出来る。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その
悪
(
にく
)
むべき感謝状を、かういつた上でも、裂いて棄てんか。やつぱり
疚
(
や
)
ましいことはないが、
些少
(
ちょっと
)
も良心が
咎
(
とが
)
めないか、それが聞きたい。ぬらくらの返事をしちやあ
不可
(
いかん
)
ぞ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何故内務大臣は之を禁じない——ナニ——だから貴様等は
不可
(
いかん
)
と言ふのだ、法律などに
拘泥
(
かうでい
)
して大事が出来るか、俺など皆な国禁を犯して維新の大業を成したものだ、早速電話で言うて
遣
(
や
)
れ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「そ、そ、それだから
不可
(
いかん
)
、そう君は内気だから不可」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
不可
(
いか
)
ん? そりや
困
(
こま
)
る。
何故
(
なぜ
)
不可
(
いかん
)
です」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それです。塩瀬の店のものもそう言います——何処か不安なところが有ると見える——こりゃ大に
省
(
かえり
)
みなけりゃ
不可
(
いかん
)
ぞ」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
書
(
ほん
)
を讀んでも何が書いてあるやら解らず。これや
不可
(
いかん
)
と思つて、聲を立てて讀むと何時しか御經の眞似をしたくなつたり、薩摩琵琶の聲色になつたりする。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「あ、いずれもそのままそのまま。」と避けんとする者を手もて制し、
好
(
よ
)
き処に座を占めて、「これが勝手じゃ構わずと大事ない。
私
(
わし
)
が来たからとてそう改まっては
不可
(
いかん
)
じゃ。 ...
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここは私も一つ
蹈張
(
ふんば
)
らんけりゃ
不可
(
いかん
)
、と思って、大御新造の前では強いことを言っていますが……時々私は夢を見ます。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『それや
不可
(
いかん
)
。止せ、後藤君。自殺は弱い奴等のする
事
(
こツ
)
た。……死ぬまで
行
(
や
)
れ。
否
(
いや
)
、殺されるまでだ。……』
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その
悪
(
にく
)
むべき感謝状を、こういった上でも、裂いて棄てんか。やっぱり
疚
(
や
)
ましいことはないが、ちょっとも良心が
咎
(
とが
)
めないか、それが聞きたい。ぬらくらの返事をしちゃあ
不可
(
いかん
)
ぞ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「もう一つ断って置くが、節ちゃんの方に心残りがあっても
不可
(
いかん
)
からナ、貴様から
餞別
(
せんべつ
)
を贈ることは見合せて貰いたい」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『それや
不可
(
いかん
)
。止せ、後藤君。自殺は弱い奴等のする
事
(
こつ
)
た。……死ぬまで
行
(
や
)
れ。
否
(
いや
)
、殺されるまでだ。……』
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「何だ、そうかも知れません? これ、無責任の言語を吐いちゃあ
不可
(
いかん
)
ぞ。」
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いいかね。僕の言ったことを君は守らんければ
不可
(
いかん
)
よ。尺八を買わないうちに食って了っては
不可
(
いかん
)
よ。」
朝飯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
浪人といふと、チョン髷頭やブッサキ羽織を連想して
不可
(
いかん
)
が、放浪の民だね。世界の平民だね。——名は
幾何
(
いくら
)
でもつく、地上の遊星といふ事も出來る。道なき道を歩む人とも云へる。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「何だ、左様かも知れません? これ、無責任の言語を吐いちやあ
不可
(
いかん
)
ぞ。」
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前のように独りで考え込んでしまって、下手なことをしちゃ
不可
(
いかん
)
ぜ——そんなら、今日はこれで帰る
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
建設の大業は後に來る天才に讓つて、我々は先づ根柢まで破壞の斧を下さなくては
不可
(
いかん
)
。然しこの戰ひは決して容易な戰ひではない。容易でないから一倍元氣が
要
(
い
)
る。元氣を落すな。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
不可
(
いかん
)
のう、早くしや早くしや、
小児
(
こども
)
が
集
(
たか
)
って
煩悩
(
うるさ
)
いからの。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「高瀬は、君、あんまり澄してるからね、ちっと
引張
(
ひっぱり
)
出さんけりゃ
不可
(
いかん
)
よ」と言って、相川は原の方を見て、「君も引越して来たら、是非
吾儕
(
われわれ
)
の会の為に尽力してくれ給え」
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
建設の大業は後に
来
(
く
)
る天才に譲つて、我々は先づ根柢まで破壊の斧を下さなくては
不可
(
いかん
)
。然しこの戦ひは決して容易な戦ひではない。容易でないから一倍元気が要る。元気を落すな。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
豚肉
(
とんにく
)
は
不可
(
いかん
)
ぞ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『それは
不可
(
いかん
)
。上げるものは上げる、頂くものは頂くサ。え——君は斯の方は
遣
(
や
)
らないのかと思つたが、なか/\いけますねえ。君の御手並を拝見するのは今夜始めてだ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
……これでも
不可
(
いかん
)
といふなら、僕は自分で上つて行つて、尋ねる人に逢ふ迄サ。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『では、貧民とか労働者とか言ふやうなものに同情を寄せるのは
不可
(
いかん
)
と言ふのかね。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
……これでも
不可
(
いかん
)
といふなら、僕は自分で上つて行つて、尋ぬる人に逢ふ迄サ。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お前さまは
算盤
(
そろばん
)
の方も好くやらんと
不可
(
いかん
)
ぞなし……お前さまの責任は重いぞなし……
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先刻からのお話は、結局あの歌を生徒に歌はせては
不可
(
いかん
)
、といふ極く明瞭な一事に帰着するんですね。色々な順序の枝だの細目の葉だのを切つて了つて、肝胆を
披瀝
(
ひれき
)
した所が、さうでせう。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『男振の好い人の中に入ると、私の顏が一層惡く見えて
不可
(
いかん
)
けれども。』
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「寅どんが? そいつは
不可
(
いかん
)
ナ」と真勢さんも言った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『男振の好い人の中に入ると、私の顔が一層悪く見えて
不可
(
いかん
)
けれども。』
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「笑わせるから
不可
(
いかん
)
よ」
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“不可”の意味
《名詞》
不 可(ふか)
いけないこと、よくないこと、可と認めないこと。
試験の成績で、不合格。四段階評価で、優、良、可に次ぐもの。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“不可”で始まる語句
不可思議
不可能
不可解
不可得
不可侵
不可致
不可抗
不可侵境
不可抗力
不可然