偉観いかん)” の例文
双欄そうらんを通して、欄のたもとには、大きな擬宝珠ぎぼしの太柱を建てた唐橋式の偉観いかんをもって、新しき天下の大道——また文化の動脈となっていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四階建ての真四角な鉄骨貼てっこつはりの煉瓦れんがの建物が五つ六つ押しならんでいるところは、まことに偉観いかんであった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かえりみれば安土の城頭の巍然ぎぜんたる金碧こんぺきもまさに天下布武ふぶそのままの偉観いかんではあったが、やはり官兵衛の心を深くとらえたものは、この際でも、彼方に打振る一本の日の丸の扇にくはなかった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)