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嗔
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いか
ふりがな文庫
“
嗔
(
いか
)” の例文
神将は手に
三叉
(
みつまた
)
の
戟
(
ほこ
)
を持つてゐましたが、いきなりその戟の切先を杜子春の胸もとへ向けながら、眼を
嗔
(
いか
)
らせて叱りつけるのを聞けば
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
飲料
(
いんりょう
)
には
屹度
(
きっと
)
湯をくれと云う。曾て
昆布
(
こんぶ
)
の出しがらをやったら、次ぎに来た時、あんな物をくれるから、
醤油
(
しょうゆ
)
を損した上に
下痢
(
げり
)
までした、と
嗔
(
いか
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
彼らがその
真率
(
しんそつ
)
にして赤児の如き点、また対照の価値なしとせず。松陰
自
(
みず
)
から諸友の
己
(
おのれ
)
を疎隔するを
嗔
(
いか
)
るや、曰く、「最早吾といえども尊攘を説くべからず」と。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
昔美なる白綿羊を多く持った牧夫あり、何か
仔細
(
しさい
)
あってその羊一疋を神に
牲
(
にえ
)
すべしと誓いながら
然
(
しか
)
せず、神これを
嗔
(
いか
)
って大波を起し牧夫も羊も
捲
(
ま
)
き込んでしまった。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
神将は手に
三叉
(
みつまた
)
の
戟
(
ほこ
)
を持っていましたが、いきなりその戟の
切先
(
きっさき
)
を杜子春の
胸
(
むな
)
もとへ向けながら、眼を
嗔
(
いか
)
らせて叱りつけるのを聞けば
杜子春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
同一種の猴ながらある島に住むはよく人に
懐
(
なつ
)
き馴れるが、その近所の大陸に住む奴は捕えらるるや否や、甚だしく怖れまた
嗔
(
いか
)
ってたちまち死するを熟知する故、猿取りに無駄骨を折らぬ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ところが打たれた若者は、彼に腕を掴まれると、血迷った眼を
嗔
(
いか
)
らせながら、今度は彼へ
獅噛
(
しが
)
みついて来た。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
嗔
漢検1級
部首:⼝
13画
“嗔”を含む語句
嗔恚
嬌嗔
嗔咽
嗔火
大嗔恚
貪嗔癡