いか)” の例文
……えゝ、れでも貴下あなたいししたに、いかこと澤蟹さはがにが、此處こゝみづにはりますで、ゆびはさまれると不可いけません。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
佃島には先生、不孝者を持っていかいこと苦労をする婆さんが一人ね、弁天様のわきけちな掛茶屋を出して細々と暮しています、子にない恐しい堅気なんで。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私も、この障子のいかいこと続いたのに、めらめら破れのある工合ぐあいが、ハイ一ツ一ツ白髑髏しゃれかうべのようで、一人で立ってる気はしねえけんど、お前様が坊様だけに気丈夫だ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うへぬしむ、とふて、今以いまもつ誰一人たれひとりつりをするものはねえで、こひふないかこと。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)