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恚
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いか
ふりがな文庫
“
恚
(
いか
)” の例文
圭一郎は
恚
(
いか
)
つて、この侵入者をそつと毒殺してしまはうとまで思ひ詰めたことも一度や二度ではなかつた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
周はますます怒って村役人を
罵倒
(
ばとう
)
した。村役人は
慚
(
は
)
じると共に
恚
(
いか
)
って周を捕縛して監獄へ
繋
(
つな
)
いだ。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
長摩納父の仇を復すはこの時と利剣を抜いて王の首に擬したが、父王平生人間はただ信義を貴ぶべしと教えたるを思い出し、
恚
(
いか
)
りを
息
(
やす
)
め剣を納めた時
俄然
(
がぜん
)
王驚き
寤
(
さ
)
めた。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
宣教師
排斥
(
はいせき
)
が一の流行になった時代に
処
(
しょ
)
して、
恚
(
いか
)
らず乱れず始終一貫同志社にあって日本人の為に尽し、「吾生涯即吾遺言也」との
訣辞
(
けつじ
)
を残して、先年終に米国に
逝
(
ゆ
)
かれた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
町子、
恚
(
いか
)
りに満ちた眼でそれを見送つた後、静かにデスクに向ひ、何か書きはじめる。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
眼
(
まなこ
)
を
其方
(
そなた
)
に転じたる酔客は
恚
(
いか
)
れるとしもなけれど
声粛
(
こゑおごそか
)
に
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
婆羅門帰ってその妻家外にあるを見、
予
(
かね
)
て
訓
(
おし
)
え置いたに何故子を伴れて出ぬぞと
恚
(
いか
)
る。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
なほも云ひつづけようとする彼女を、神谷は
恚
(
いか
)
りに燃えた眼で見据ゑた。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
急がず休まず一鍬一鍬土を耕し、
遽
(
あわ
)
てず
恚
(
いか
)
らず一日一日其苗の長ずるを待つ。仮令思いがけない風、
旱
(
ひでり
)
、水、
雹
(
ひょう
)
、霜の天災を時に受くることがあっても、「エホバ与え、エホバ取り玉う」のである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
恚
漢検1級
部首:⼼
10画
“恚”を含む語句
瞋恚
嗔恚
憤恚
慙恚
大嗔恚
御忿恚
忿怒瞋恚
忿恚
怒恚
恚乱
恚忿
恚毒
慎恚
慚恚
瞋恚怨念