恨なき殺人うらみなきさつじん
七月初めの日が頭の上でカンカン照りはじめると、山の中は一しきり、ソヨリとした風もなくなっていた。マンゴク網を辷り落る鉱石の響きも、トロッコのきしる音も、すべてが物憂くだらけ切っていた。草木の葉はぐんなりと萎れて、ただ山中一杯にころがっている …