“安座”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぐら61.5%
あんざ38.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
障子しょうじに近い大きな白熊の毛皮の上の盛上るような座蒲団ざぶとんの上に、はったんの褞袍どてらを着こんだ場主が、大火鉢おおひばちに手をかざして安座あぐらをかいていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
本町辺は薬種やくしゅ問屋の多いところなので、あたしは安座あぐらをかいて、薬草くすりぐさを刻んでいるのを見て知っていたからよくわかった。
もうこれで何も手落ちはないと思った五助は「松野様、お頼み申します」と言って、安座あんざしてはだをくつろげた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
のべければ先々ゆるりと安座あんざして火にあたり給へといふ吉兵衞は世にも有難ありがたく思ひ火にあたれば今まで氷たる衣類いるゐの雪もとけかみよりはしづくしたゝり衣服はしぼるが如くなればかの男もこれを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)