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安座
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あぐら
ふりがな文庫
“
安座
(
あぐら
)” の例文
障子
(
しょうじ
)
に近い大きな白熊の毛皮の上の盛上るような
座蒲団
(
ざぶとん
)
の上に、はったんの
褞袍
(
どてら
)
を着こんだ場主が、
大火鉢
(
おおひばち
)
に手をかざして
安座
(
あぐら
)
をかいていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
本町辺は
薬種
(
やくしゅ
)
問屋の多いところなので、あたしは
安座
(
あぐら
)
をかいて、
薬草
(
くすりぐさ
)
を刻んでいるのを見て知っていたからよくわかった。
旧聞日本橋:11 朝散太夫の末裔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
萩野は何時ものように、火の気のない炉のそばに、どっかりと
安座
(
あぐら
)
をかいていた。その側には、
裸体
(
はだか
)
になった坑夫が三四人、ごろごろと寝転んでいた。
恨なき殺人
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
デクデク
肥
(
ふと
)
った男が三枚も
蒲団
(
ふとん
)
を重ねて
木魚然
(
もくぎょぜん
)
と
安座
(
あぐら
)
をかいて納まり返っていたと笑っていた。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そこでこのお二方の神が出雲の國のイザサの
小濱
(
おはま
)
に降りついて、長い劒を拔いて波の上に逆樣に
刺
(
さ
)
し立てて、その劒のきつさきに
安座
(
あぐら
)
をかいて大國主の命にお尋ねになるには
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
此処
(
ここ
)
だぞ此処で行儀を直さなければならぬ、姿勢を直すのは此処だぞ、
疲労
(
つか
)
れた時には
安座
(
あぐら
)
をかいて飯を食いたい、寝て物を食たいが此処だぞ、飯を食う時に急かず落付いて食べる。
教育家の教育
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そのくせ鼻は丸く
安座
(
あぐら
)
をかいていて小さい目は好人物というより、
滑稽味
(
こっけいみ
)
のある
剥身
(
むきみ
)
に似た、これもけんそんな眼だ。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
佐藤の妻は
安座
(
あぐら
)
をかいて長い
火箸
(
ひばし
)
を右手に握っていた。広岡の妻も背に赤ん坊を背負って、早口にいい募っていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
父が時たまとりだして、
安座
(
あぐら
)
をかいて、
奏管
(
ろかん
)
(琴爪)で琴につけた譜面の星を、ウロウロ探しあてて弾いていた。大かた九世団十郎時代の、お弟子の一員ででもあったのであろう。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
倶知安
(
くっちゃん
)
からK村に通う国道はマッカリヌプリの
山裾
(
やますそ
)
の
椴松帯
(
とどまつたい
)
の間を縫っていた。彼れは馬力の上に
安座
(
あぐら
)
をかいて瓶から口うつしにビールを
煽
(
あお
)
りながら
濁歌
(
だみうた
)
をこだまにひびかせて行った。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“安”で始まる語句
安
安堵
安心
安房
安全
安芸
安穏
安土
安否
安宅