“煖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたた40.5%
あた13.5%
あたゝ10.8%
だん10.8%
ぬく5.4%
あたゝか2.7%
あたたか2.7%
あたたま2.7%
あたる2.7%
あった2.7%
あつた2.7%
あツた2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒中は夜間外出をするなとか、冷水浴もいいがストーブをいてへやあたたかにしてやらないと風邪かぜを引くとかいろいろの注意があるのさ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
チベットでは酒をあたためて飲むということは全くない。で前に言いました通り茶と酒は終日終夜絶間なく飲むのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
宗助そうすけあつ綿わたうへで、一種いつしゆしづかさをかんじた。瓦斯ガスえるおとかすかにして次第しだい脊中せなかからほか/\あたゝまつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
十二じょうほどの広さで、六尺四方の大きな炉が切ってあり、だんをとるのも、食事をし茶を飲むのも、すべてそこですることにきめられていた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あの子供が鼻糞をほじくりながら、何を工夫しているかと思うと、太陽が消えてしまった跡で、世界をぬくめる火を工夫しているというのですね。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なめらかなる大理石の床は、蝋燭の光を反射し、鐵の格子をめぐらしたる火鉢(スカルヂノ)は、程好きあたゝかさを一間の内にわかてり。
この寒き日をこのあたたかしつに、この焦るる身をこの意中の人に並べて、この誠をもてこの恋しさを語らば如何いかに、と思到れる時、宮はほとんど裂けぬべく胸を苦く覚えて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
寒いから私と三吉さんとは火をたいてあたたまつて居る処へ三人が連れ立つて帰りましたから、私は嬉しくつて飛出して行くと龍馬が、お前は早や来て居るかと云ひますから
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
願奉ると叮嚀ていねいに述ければ圍爐裡ゐろりはたに年頃卅六七とも見ゆる男の半面はんめん青髭あをひげはえ骨柄こつがらのみいやしからざるが火にあたりて居たりしが夫はさだめし難澁なんじふならん疾々とく/\此方こなたあがり給へ併し空腹くふふくとあればすぐに火にあたるよろしからず先々臺所だいどころへ行て食事しよくじいたし其火のへんより玉へといと慇懃ねんごろに申けるに吉兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
黄成鎬 (独語)火のねえストウブに当ってあったけえ気でいる。(手真似で考える)こいつあうめえことを言った。大きにそんなものかも知れねえ。
娘の分まで働いて遣るばかりでなく、朝飯のパンも半分分けてやり、昼飯には屹度何かしらあつたかな物を二銭がとこ買つてやつてゐた。娘は始終一文無しなのだ。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
其の後の煖爐ストーブには、フツ/\音を立てなが石炭がさかんに燃えてゐる。それで此の室へ入るとくわツと上氣する位あツたかい。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)