“あたたか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
温41.7%
暖40.9%
温暖13.9%
昫0.9%
温味0.9%
温煖0.9%
煖0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あれからしばらくたつた温(あたたか)い日、栄蔵は勉強に疲れた頭を、海から来る新鮮な風にあてて休めるため、波打際の方へおりていつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
水蒸気の多い暖(あたたか)な冬の夜などは、夜の水と夜の月島と夜の船の影が殊更美しく見えるメトロポオル・ホテルの食堂を忘れさせない。
銀座界隈 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
明後日が初酉の十一月八日、今年はやや温暖(あたたか)く小袖を三枚(みッつ)重襲(かさね)るほどにもないが、夜が深(ふ)けてはさすがに初冬の寒気(さむさ)が感じられる。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日はぽかぽかと昫(あたたか)い、まるで春の野原にでも寝そべっているようだ。話をするのも懶(ものう)くなって睡気がさして来る、長次郎などはとうに鼾をかいて寝て了(しま)った。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
枕許に坐って、密(そっ)と掻巻(かいまき)の襟へ手を懸けると、冷(つめた)かった。が、底に幽(かすか)に温味(あたたか)のある気がしてなりません。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天下の民(たみ)寒き者多し独り温煖(あたたか)ならんやと曰(のたま)いし。宋(そう)の太祖が大度(たいど)を慕い。普(あまね)く慈善を施せしも。始め蛍の資本(ひだね)より。炭も焼(やく)べき大竈(おおかまど)と成りし始末の満尾(まんび)迄。御覧を冀(ねが)うと言(いう)よしの。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この寒き日をこの煖(あたたか)き室(しつ)に、この焦るる身をこの意中の人に並べて、この誠をもてこの恋しさを語らば如何(いか)に、と思到れる時、宮は殆(ほとん)ど裂けぬべく胸を苦く覚えて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)