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あたゝま
○さて幽霊は
影も見えず、
源教は
炉に
温りて
睡眠をもよほし、
居眠りしつゝ
終に倒れんとして目をひらきしに、お菊が
幽霊何時か
来りて
仏に
対ひ、まうけたる
新薦の上に
坐り
頭を
低てゐたり。
勘次は
薄い
蒲團へくるまつて
日の
中から
冷えてた
足が
暖らなかつた。うと/\と
熟睡することも
出來ないで
輾轉して
長い
夜を
漸く
明した。
こゝは
田舎でいやな
香がありますが
玉子酒にするとその
香を消すさうでございます、それに
暖つて
宜うございます。