『和解（わかい）』

奥の六畳に、私はＭ—子と火鉢の間に対坐してゐた。晩飯には少し間があるが、晩飯を済したのでは、夜の部の映画を見るのに時間が遅すぎる——ちやうどさう云つた時刻であつた。陽気が春めいて来てから、私は何となく出癖がついてゐた。日に一度くらゐ洋服を著 …

著者	徳田秋声
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「新潮」1933（昭和8）年6月
文字種別	新字旧仮名
読書目安時間	約26分（500文字/分）
朗読目安時間	約44分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

恐（おつ） 羞（はづ） 放（ぱな） 闇黒（くらがり） 間（あひだ） 可憎（あいにく） 小父（おぢ） 巡（まは） 悒鬱（むさくる） 分明（はつきり） 放抛（うつちや） 裂（きれ） 体（からだ） 否応（いやおう） 家（うち） 取（と） 栗鼠（りす） 煙管（きせる） 入染（にじ） 脂汗（あぶらあせ） 傍（そば）