“入染”の読み方と例文
読み方割合
にじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
涙含なみだぐんだような顔をして、それを脊負って行く順吉のいじらしい後姿を見送っているお島の目には、涙が入染にじんで来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
薄紫色に大体は癒着ゆちゃくしているように見えながら、探りを入れたら、深く入りそうに思える穴もあって、そこから淋巴液りんぱえきのようなものが入染にじんでいた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あの時分の若い痴呆ちほうな恋が、いつの間にか、水にとかされて行く紅の色か何ぞのように薄く入染にじんでいるきりであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)