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入染
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にじ
ふりがな文庫
“
入染
(
にじ
)” の例文
涙含
(
なみだぐ
)
んだような顔をして、それを脊負って行く順吉のいじらしい後姿を見送っているお島の目には、涙が
入染
(
にじ
)
んで来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
薄紫色に大体は
癒着
(
ゆちゃく
)
しているように見えながら、探りを入れたら、深く入りそうに思える穴もあって、そこから
淋巴液
(
りんぱえき
)
のようなものが
入染
(
にじ
)
んでいた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あの時分の若い
痴呆
(
ちほう
)
な恋が、いつの間にか、水に
溶
(
とか
)
されて行く紅の色か何ぞのように薄く
入染
(
にじ
)
んでいるきりであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
細君はおろおろしながら、その
体
(
からだ
)
に
取
(
と
)
りついてゐた。額に
入染
(
にじ
)
む
脂汗
(
あぶらあせ
)
を拭き取つたり頭をさすつたり、まるで赤ん坊をあやす慈母のやうな優しさであつた。
和解
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
大分たってから
皆
(
みんな
)
の前へ呼ばれていった時、お島は
漸
(
やっ
)
と目に
入染
(
にじ
)
んでいる涙を
拭
(
ふ
)
いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
木膚
(
きはだ
)
の
黝
(
くろ
)
ずんだ縁や軒などに
入染
(
にじ
)
んでいるのを懐かしく感ずる以外に、とてもこれ以上簡素には出来ないであろうと思われるほど無駄を省いた落着きのよさが、今がさつな新築の書斎に坐ってみて
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
額に
入染
(
にじ
)
む冷たい
脂汗
(
あぶらあせ
)
もひいて、
迅
(
はや
)
い脈もいくらか
鎮
(
しず
)
まって来た。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
“入染”で始まる語句
入染出