トップ
>
恐
>
おそろ
ふりがな文庫
“
恐
(
おそろ
)” の例文
あなたは母様の
膝
(
ひざ
)
に抱っこされて居た。そとでは
凩
(
こがらし
)
が
恐
(
おそろ
)
しく
吼
(
ほ
)
え狂うので、地上のありとあらゆる草も木も悲しげに泣き叫んでいる。
少年・春
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
それというのが、
時節柄
(
じせつがら
)
暑さのため、
恐
(
おそろ
)
しい悪い病が
流行
(
はや
)
って、先に通った辻などという村は、から一面に
石灰
(
いしばい
)
だらけじゃあるまいか。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
王子は
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
んで、
岩
(
いわ
)
の上に
座
(
すわ
)
りました。いつまでもじっと
我慢
(
がまん
)
していました。しかし、そのうちに、だんだん
恐
(
おそろ
)
しくなってきました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しい
事
(
こと
)
でも
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したかのやうに、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かゝ
)
へるなり、
院長
(
ゐんちやう
)
の
方
(
はう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
云べき詞もなく
名利
(
みやうり
)
の程も
恐
(
おそろ
)
しと兩人涙に
昏
(
くれ
)
て居たりしに武藏屋長兵衞は
委細
(
ゐさい
)
引受
(
ひきうけ
)
て世話をなさんと
云
(
いふ
)
に
彌々
(
いよ/\
)
打喜び我々夫婦の命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
私達が着くと間もなく、
扉船
(
とせん
)
の上部海水注入孔のバルブが開いて、真ッ白に泡立った海水が、
恐
(
おそろ
)
しい
唸
(
うなり
)
を立てて
船渠
(
ドック
)
の中へ
迸出
(
ほんしゅつ
)
し始めた。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
恐
(
おそろ
)
しい都、悲しい都、早熟な人間の居る南洋の何やら
島
(
じま
)
の子も五つ六つで
斯
(
か
)
うなのであらうかと、私は青ざめて立つて居ました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ボルシッパなる明智の神ナブウの
召使
(
めしつか
)
いたもう文字の精霊共の
恐
(
おそろ
)
しい力を、イシュディ・ナブよ、君はまだ知らぬとみえるな。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
恋人の住む町と思へば、
其
(
そ
)
の名を
徒
(
いたづら
)
に
路傍
(
ろばう
)
の他人に
漏
(
もら
)
すのが、心の秘密を探られるやうで、
唯
(
たゞ
)
わけもなく
恐
(
おそろ
)
しくてならない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「だれでも、その
当座
(
とうざ
)
は、
戦争
(
せんそう
)
の
悪
(
わる
)
いこと、
恐
(
おそろ
)
ろしいことを
身
(
み
)
にしみて
感
(
かん
)
じますが、それを、じき
忘
(
わす
)
れてしまうのです。」
夢のような昼と晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
外村へ
使
(
つかい
)
などにゆく犬の奴が意地悪く森の
蔭
(
かげ
)
などからいつでも出てくるもうそれが
恐
(
おそろ
)
しくてたまらなかった、十五、六歳の頃までも犬を恐れました
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
十四日の一時四十分にとうとうさしもの
恐
(
おそろ
)
しいマッターホルンの頂上、天にもとどくような頂上へ登り得て
大
(
おおい
)
に喜んで、それから下山にかかりました。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
娘
(
むすめ
)
のお母さんは、すこし眼に険のある美人でしたが、
恐
(
おそろ
)
しく早口で
捲舌
(
まきじた
)
に
喋
(
しゃべ
)
るので、なにを言うやら、さっぱり
判
(
わか
)
らず、いつもぼくは
面喰
(
めんくら
)
いました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
やがて
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
たのは、これも
恐
(
おそろ
)
しい
顔
(
かお
)
をした
鬼
(
おに
)
でした。そしてもう
入
(
はい
)
って
来
(
く
)
るなり
鼻
(
はな
)
をくんくんやりながら
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
もし反動が
恐
(
おそろ
)
しいの、騒動が大きくなるのと
姑息
(
こそく
)
な事を云った日にはこの
弊風
(
へいふう
)
はいつ
矯正
(
きょうせい
)
出来るか知れません。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それらの人は別に
恐
(
おそろ
)
しいとは思わない。広く解し深く解し、鋭意それによって新しい境地を
拓
(
ひら
)
いてゆく人には、なんだか恐しいような尊敬の念が起るのである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
とバネじかけのように椅子から飛び上ったのは
大江山
(
おおえやま
)
捜査課長だった。それほど驚いたのも無理ではなかった。岩というのは、
不死身
(
ふじみ
)
といわれる
恐
(
おそろ
)
しい強盗紳士だ。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
年々
(
としどし
)
の若葉ともいふ可き
新
(
あらた
)
の月日、また
世
(
よ
)
に
出
(
で
)
ない月日、待受けぬ月日、意外の月日、
好
(
すき
)
になる月日、
恐
(
おそろ
)
しい月日は歸つて來ても、過ぎた昔の
親
(
したし
)
みのある、願はしい
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
それから、——どうです、
慾
(
よく
)
と
云
(
い
)
ふものは、
恐
(
おそろ
)
しいではありませんか? それから
半時
(
はんとき
)
もたたない
内
(
うち
)
に、あの
夫婦
(
ふうふ
)
はわたしと一しよに、
山路
(
やまぢ
)
へ
馬
(
うま
)
を
向
(
む
)
けてゐたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伴「旦那え/\大層
魘
(
うな
)
されていますね、
恐
(
おそろ
)
しい声をして
恟
(
びっく
)
りしました、風邪を引くといけませんよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恐
(
おそろ
)
しき
一夜
(
いちや
)
は
遂
(
つひ
)
に
明
(
あ
)
けた。
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
が
白
(
しら
)
んで
來
(
き
)
て、
融々
(
うらゝか
)
なる
朝日
(
あさひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
水平線
(
すいへいせん
)
の
彼方
(
かなた
)
から、
我等
(
われら
)
の
上
(
うへ
)
を
照
(
てら
)
して
來
(
く
)
るのは
昨日
(
きのふ
)
に
變
(
かは
)
らぬが、
變
(
かは
)
り
果
(
は
)
てたのは
二人
(
ふたり
)
の
境遇
(
みのうへ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「フランシス」「若い騎士」などとその肩まで
揺
(
ゆす
)
って呼びかけても、フランシスは
恐
(
おそろ
)
しげな夢からさめる様子はなかった。青年たちはそのていたらくにまたどっと高笑いをした。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
人もさはよか※なりと
怨
(
え
)
じて、掻いくくみて臥しぬる後、いと寒き折などに、唯
単衣
(
ひとえぎぬ
)
ばかりにて、
生憎
(
あやにく
)
がりて……思ひ臥したるに、奥にも外にも、物うち鳴りなどして
恐
(
おそろ
)
しければ
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
化物的神佛
(
ばけものてきしんぶつ
)
の
實例
(
じつれい
)
は、
印度
(
いんど
)
、
支那
(
しな
)
、
埃及方面
(
えじぷとはうめん
)
に
極
(
きは
)
めて
多
(
おほ
)
い。
釋迦
(
しやか
)
が
既
(
すで
)
にお
化
(
ば
)
けである。卅二
相
(
さう
)
を
其儘
(
そのまゝ
)
現
(
あら
)
はしたら
恐
(
おそ
)
ろしい
化物
(
ばけもの
)
が
出來
(
でき
)
るに
違
(
ちが
)
ひない。
印度教
(
いんどけう
)
のシヴアも
隨分
(
ずゐぶん
)
恐
(
おそろ
)
しい
神
(
かみ
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
文字
(
もんじ
)
はやがて耳の
脇
(
わき
)
に
恐
(
おそろ
)
しき声もて
咡
(
さゝや
)
くぞかし。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おしはかるだに、その
性
(
さが
)
の
恐
(
おそろ
)
しときく
荒神
(
あらがみ
)
も
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しいことでも
急
(
きゅう
)
に
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したかのように、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かか
)
えるなり、
院長
(
いんちょう
)
の
方
(
ほう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐台
(
ねだい
)
の
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
になった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
亡
(
なく
)
なつた
一葉女史
(
いちえふぢよし
)
が、たけくらべといふ
本
(
ほん
)
に、
狂氣街道
(
きちがひかいだう
)
といつたのは
是
(
これ
)
から
前
(
さき
)
ださうだ、うつかりするな、
恐
(
おそろ
)
しいよ、と
固
(
かた
)
く
北八
(
きたはち
)
を
警戒
(
けいかい
)
す。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それのみならず
今日
(
けふ
)
は
又
(
また
)
、
凡
(
およ
)
そ世の中で
何
(
なに
)
よりも
嫌
(
きら
)
ひな
何
(
なに
)
よりも
恐
(
おそろ
)
しい機械体操のある事を思ひ出したからである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
僞るは
恐
(
おそろ
)
しいゆゑ正直に申上ます必らず
恨
(
うら
)
んで下さるなと云ふに久兵衞
最早
(
もはや
)
仕方
(
しかた
)
なしとは思へ共猶強情を
張
(
はつ
)
て居るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この学校がいけなければすぐどっかへ
行
(
ゆ
)
く
覚悟
(
かくご
)
でいたから、
狸
(
たぬき
)
も赤シャツも、ちっとも
恐
(
おそろ
)
しくはなかった。まして教場の
小僧
(
こぞう
)
共なんかには
愛嬌
(
あいきょう
)
もお世辞も使う気になれなかった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ほら、きた!」と、みんなは
恐
(
おそろ
)
しさ
半分
(
はんぶん
)
、おもしろさ
半分
(
はんぶん
)
に、おどりあがりました。
つじうら売りのおばあさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小説を自分で作ることをしないがために小説を
恐
(
おそろ
)
しいものと思っておる、また、和歌を作らないために和歌を恐しいものと思って居る、絵画を自ら描かないために絵画を恐しいものと思って居る
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
こうした幸福の持続が、あんまり
恐
(
おそろ
)
しく、身体を
翻
(
ひるが
)
えし、バック台の方へ
逃
(
に
)
げて行き、こっとん、こっとん、
微笑
(
びしょう
)
のうちに、二三回ひいてから、また、手摺まで走って行ってはあなたに手をあげ
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
そして
駭
(
おどろ
)
くべき熟練をもって、胸の肉、
臀部
(
でんぶ
)
の肉、脚の肉、腕の肉と截り分け、運搬車に載せると、ライオンだの虎だの檻の前へ直行して、園長の肉を投げ込んでやる。……いや、
恐
(
おそろ
)
しいことである。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
堪
(
た
)
え
難
(
がた
)
き
恐
(
おそろ
)
しさは
電
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に
閃
(
ひらめ
)
き
渡
(
わた
)
って、二十
有余年
(
ゆうよねん
)
の
間
(
あいだ
)
、どうして
自分
(
じぶん
)
はこれを
知
(
し
)
らざりしか、
知
(
し
)
らんとはせざりしか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
やあ
汚
(
きたね
)
え
溝
(
どぶ
)
だ。
恐
(
おそろ
)
しい
石灰
(
いしばひ
)
だ。
酷
(
ひど
)
い
道
(
みち
)
だ。
三階
(
さんがい
)
があるぜ、
浴衣
(
ゆかた
)
ばかしの
土用干
(
どようぼし
)
か、
夜具
(
やぐ
)
の
裏
(
うら
)
が
眞赤
(
まつか
)
な、
何
(
なん
)
だ
棧橋
(
さんばし
)
が
突立
(
つツた
)
つてら。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
耳元
(
みゝもと
)
近くから
恐
(
おそろ
)
しい
黄
(
きいろ
)
い声が、「
変
(
かは
)
るよ———ウ」と
叫
(
さけ
)
び出した。見物人が出口の
方
(
はう
)
へと
崩
(
なだれ
)
を打つて
下
(
お
)
りかける。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
足早
(
あしばや
)
に立去しは
恐
(
おそろ
)
しくもまた
巧
(
たく
)
みなる
企
(
くはだ
)
てなり稍五ツ時頃に
獵師
(
れふし
)
の傳九郎といふが
見付
(
みつけ
)
取散せし
笈摺
(
おひずる
)
并に
菅笠
(
すげがさ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
船頭はゆっくりゆっくり
漕
(
こ
)
いでいるが熟練は
恐
(
おそろ
)
しいもので、
見返
(
みか
)
えると、浜が小さく見えるくらいもう出ている。
高柏寺
(
こうはくじ
)
の五重の
塔
(
とう
)
が森の上へ
抜
(
ぬ
)
け出して針のように
尖
(
とん
)
がってる。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
アンは、なにを思いだしたか、
恐
(
おそろ
)
しそうに、体をすくめた。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
堪
(
た
)
へ
難
(
がた
)
き
恐
(
おそろ
)
しさは
電
(
いなづま
)
の
如
(
ごと
)
く
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
に
閃
(
ひらめ
)
き
渡
(
わた
)
つて、二十
有餘年
(
いうよねん
)
の
間
(
あひだ
)
、
奈何
(
どう
)
して
自分
(
じぶん
)
は
是
(
これ
)
を
知
(
し
)
らざりしか、
知
(
し
)
らんとは
爲
(
せ
)
ざりしか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
但
(
たゞ
)
金石間近
(
かないはまぢか
)
になつた
時
(
とき
)
、
甲板
(
かんぱん
)
の
方
(
はう
)
に
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
らん
恐
(
おそろ
)
しい
音
(
おと
)
がして、
皆
(
みんな
)
が、きやツ!と
叫
(
さけ
)
んだ
時
(
とき
)
ばかり、
少
(
すこ
)
し
顏色
(
かほいろ
)
を
變
(
か
)
へたぢや。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分は
星斗
(
せいと
)
賑
(
にぎは
)
しき空をば遠く仰ぎながら、心の
中
(
うち
)
には今日よりして四十幾日、長い/\
船路
(
ふなぢ
)
の果に
横
(
よこた
)
はる
恐
(
おそろ
)
しい
島嶼
(
しま
)
の事を
思浮
(
おもひうか
)
べた。自分はどうしてむざ/\
巴里
(
パリー
)
を去ることが出来たのであらう。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
14
恐
(
おそろ
)
しい日
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
恐
(
おそろ
)
しく
鐵拐
(
てつか
)
に
怒鳴
(
どな
)
つて、フト
私
(
わたし
)
と
向合
(
むきあ
)
つて、……
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て……
雙方
(
さうはう
)
莞爾
(
につこり
)
した。
同好
(
どうかう
)
の
子
(
し
)
よ、と
前方
(
さき
)
で
思
(
おも
)
へば、
知己
(
ちき
)
なるかな、と
言
(
い
)
ひたかつた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
とか
思
(
おも
)
ふだらうと
恐
(
おそろ
)
しいやうな
氣
(
き
)
もして、
立
(
た
)
つたり、
居
(
ゐ
)
たり、
又
(
また
)
立
(
た
)
つたり、
歩
(
ある
)
いたり、やうやく
半時間
(
はんじかん
)
、一
時間計
(
じかんばかり
)
も
坐
(
すわ
)
つてゐて
見
(
み
)
たが、
悲
(
かな
)
しい
程
(
ほど
)
退屈
(
たいくつ
)
になつて
來
(
き
)
て
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恐
(
おそろ
)
しき
椿事
(
ちんじ
)
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
原口
(
はらぐち
)
の
瀧
(
たき
)
、いはれあり、
去
(
さん
)
ぬる
八日
(
やうか
)
大雨
(
たいう
)
の
暗夜
(
あんや
)
、十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎて
春鴻子
(
しゆんこうし
)
來
(
きた
)
る、
俥
(
くるま
)
より
出
(
い
)
づるに、
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
慘
(
いたま
)
しく
濡
(
ぬ
)
れ
漬
(
ひた
)
りて、
路
(
みち
)
なる
大瀧
(
おほたき
)
恐
(
おそろ
)
しかりきと。
逗子だより
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
とか
思
(
おも
)
うだろうと
恐
(
おそろ
)
しいような
気
(
き
)
もして、
立
(
た
)
ったり、いたり、また
立
(
た
)
ったり、
歩
(
ある
)
いたり、ようやく
半時間
(
はんじかん
)
、一
時間
(
じかん
)
ばかりも
坐
(
すわ
)
っていて
見
(
み
)
たが、
悲
(
かな
)
しい
程
(
ほど
)
退屈
(
たいくつ
)
になって
来
(
き
)
て
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恐
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“恐”を含む語句
恐怖
可恐
恐々
恐入
恐慌
恐懼
恐縮
恐竜
恐悦
恐喝
恐惶
恐気
恐多
空恐
恐山
恐惶謹言
恐悚
恐迫
大恐悦
恐怖心
...