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有餘年
堪へ
難き
恐しさは
電の
如く
心の
中に
閃き
渡つて、二十
有餘年の
間、
奈何して
自分は
是を
知らざりしか、
知らんとは
爲ざりしか。
却説甲州屋吉兵衞は廿
有餘年の其昔し東海道の藤川宿へ
貧苦に
迫つて
棄たる我が子に場所も
有うに
白洲にて
再會せんとは思ひきや夢かとばかりに思はれて後先も無く
突然と
助命は願へど
流石にも久八
事は私しの
悴なりとも云出し兼
然とても又
棄置時は五逆の大罪遁るゝ道なし此身を