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さしむか
何を
疑つて
見た
處で、
其のものの
言ひぶりが、
別に
人があつて、
婦と
對向ひで
居る
樣子には
思はれないので
板戸一つが
直ぐ
町の、
店の八
疊、
古疊の
眞中に
机を
置いて
對向ひに、
洋燈に
額を
突合はせた、
友達と
二人で、
其の
國の
地誌略と
云ふ、
學校の
教科書を
讀んで
居た。
對向ひに、
一寸背を
捻つた、
片手を
敷辷らした
座蒲團の
端に
支いて、すらりと
半身、
褄を
内掻に
土間に
揃へた、
九か
二十と
見えた、
白足袋で、これも
勝色の
濃いコートを
姿よく
着たが、
弟を
横にして