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艴
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む
ふりがな文庫
“
艴
(
む
)” の例文
「知らねえと思ふ
人間
(
ふと
)
に何故聞かつしやるだ。」と百姓は
蟷螂
(
かまきり
)
のやうに
艴
(
む
)
くれた顔をあげた。「これはあ、
索靖
(
さくせい
)
といふ
偉
(
えれ
)
え方の書だつぺ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
女優が待つてゐる
間
(
うち
)
に応接間の置時計は三度ばかり当てつけがましく時を打つた。幾らか
艴
(
む
)
くれ気味になつた女優は、険しい眼つきをして次の
室
(
ま
)
に顔を覗けた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「なにね、今夜いただいた花束が九つしきや無かつたので、あんなに
艴
(
む
)
くれてるんですよ。」
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「有りますよ。」と
商人
(
あきんど
)
は
艴
(
む
)
くれ
気味
(
ぎみ
)
に言つた。「
甥
(
をひ
)
が一人お国に捕虜になつてまさ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それを見た
恋女
(
こひをんな
)
は、真剣な自分の恋を馬鹿にしてゐるといつて
艴
(
む
)
くれ出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
と皺くちやな顔を歪めて
艴
(
む
)
くれたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
艴
部首:⾊
11画