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六
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む
ふりがな文庫
“
六
(
む
)” の例文
この鐘きかむとて、われ
六
(
む
)
とせの
春秋
(
はるあき
)
をあだにくらしき。うれたくもたのしき、今のわが身かな。いざやおもひのまゝに聽きあかむ。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
人間と同じように歌わせることだけは
六
(
む
)
つかしいが、器楽が自由自在に演奏出来るのだから、追々と歌や言葉だって出来ない筈はない
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
茶の湯を学ぶ彼らはいらざる儀式に貴重な時間を費やして、一々に師匠の云う通りになる。趣味は茶の湯より
六
(
む
)
ずかしいものじゃ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
参
(
まゐ
)
りました
処
(
ところ
)
は
堺町
(
さかひちやう
)
三
条
(
でう
)
北
(
きた
)
に
入
(
い
)
る
町
(
まち
)
といふ、
大層
(
たいそう
)
六
(
む
)
づかしい
町名
(
ちやうめい
)
でございまして、
里見
(
さとみ
)
忠
(
ちう
)
三
郎
(
らう
)
といふ
此頃
(
このごろ
)
新築
(
しんちく
)
をした
立派
(
りつぱ
)
な
家
(
うち
)
で
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何時迄も致すは
迷惑
(
めいわく
)
なり殊に又私しの末の弟が
六
(
む
)
ツケ
敷
(
しく
)
云
(
い
)
ふゆゑ何か
最初
(
さいしよ
)
より申通り
持參金
(
ぢさんきん
)
の百兩衣類道具代等は兎も角も
離縁状
(
りえんじやう
)
ばかりを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
椿
(
つばき
)
の
梢
(
こずゑ
)
には、つい
此
(
こ
)
のあひだ
枯萩
(
かれはぎ
)
の
枝
(
えだ
)
を
刈
(
か
)
つて、その
時
(
とき
)
引殘
(
ひきのこ
)
した
朝顏
(
あさがほ
)
の
蔓
(
つる
)
に、
五
(
いつ
)
つ
六
(
む
)
つ
白
(
しろ
)
い
實
(
み
)
のついたのが、
冷
(
つめた
)
く、はら/\と
濡
(
ぬ
)
れて
行
(
ゆ
)
く。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
食物でいえばガラス絵などは、間食の如きものでしょう、間食で生命を
繋
(
つな
)
ぐ事は
六
(
む
)
つかしい、米で常に腹を養って置かなくてはなりません。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
然
(
しか
)
らばどんな歌が、味いは無くても面白い歌という例歌があるかと云われると、その例歌を上げることは余程
六
(
む
)
つかしい。
歌の潤い
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
付記 なほ四五十年
前
(
ぜん
)
の東京にはかう云ふ歌もあつたさうである。「ねるぞ、ねだ、たのむぞ、たる木、
梁
(
はり
)
も聴け、明けの
六
(
む
)
つには起せ
大
(
おほ
)
びき」
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
みんな
六
(
む
)
つの瀬戸もののエボレツトを飾り、てつぺんにはりがねの
槍
(
やり
)
をつけた
亜鉛
(
とたん
)
のしやつぽをかぶつて、片脚でひよいひよいやつて行くのです。
月夜のでんしんばしら
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
明けの
六
(
む
)
つから暮の六つまで、人を
堰
(
せ
)
いたり流したりしていましたが、これはもちろん、その時刻にしてはあまりに早過ぎることなのであります。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
急に彼はその姿をとらへようと
五
(
いつ
)
足
六
(
む
)
足追ひすがつた。がすぐに棒立ちにそこに立ちすくんでしまつた。ふと思ひあたるところが彼にはあつたのである。
黎明
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
まだ
六
(
む
)
つが鳴って
間
(
ま
)
もないというのに
彫師
(
ほりし
)
の亀吉は、にやにや笑いながら、画室の障子に手をかけた。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
独見
(
どくけん
)
もでき、翻訳もでき、教授もでき、次第に学問の上達するにしたがい、次第に学問は
六
(
む
)
ッかしくなるものにて、真に成学したる者とては、慶応義塾中一人もなし。
慶応義塾新議
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
はなはだ
六
(
む
)
ツかしい
面
(
かお
)
を作り、役所の方からはまだ月給が下らない、学校の方も
駄目
(
だめ
)
で、実に「愛してはいるが助けることが出来ない」と言って彼を空手で追い帰した。
端午節
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
これ縛る星の意であって、幾つもの小星が連なりて一団をなしおるを以て
名
(
なづ
)
けたのであろう。また
六
(
む
)
連星
(
つれぼし
)
ともいう。これ普通の視力ある人に六つだけ星が見ゆるからである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
文久二年渡欧の船中で
松木弘安
(
まつきこうあん
)
(後の
寺島宗則
(
てらじまむねのり
)
)らに向い「とても幕府の一手持は
六
(
む
)
つかしい。
先
(
ま
)
ず諸大名を集めて、
独逸
(
ドイツ
)
連邦のようにしては如何」(『自伝』)と述べ幕府を
福沢諭吉
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
七つの落ち葉の山、
六
(
む
)
つまで焼きて土曜日の夜はただ一つを余しぬ。この一つより立つ煙ほそぼそと天にのぼれば、
淡紅色
(
うすくれない
)
の
霞
(
かすみ
)
につつまれて
乙女
(
おとめ
)
の星先に立ち静かに庭に下れり。
星
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
まだ
幼
(
いとけ
)
なくて
伯母
(
をば
)
なる人に縫物ならひつる頃、
衽先
(
おくみさき
)
、
褄
(
つま
)
の
形
(
なり
)
など
六
(
む
)
づかしう言はれし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
朝
(
あさ
)
六
(
む
)
つ
半
(
はん
)
に
立
(
た
)
つてから、
老人
(
らうじん
)
の
足
(
あし
)
だから、
池田
(
いけだ
)
へ
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は、もう
八
(
や
)
つであつた。おくれた
中食
(
ちうじき
)
をして、またぽつ/\と、
馬
(
うま
)
も
通
(
かよ
)
ひにくい
路
(
みち
)
を、
川
(
かは
)
に
添
(
そ
)
つて
山奧
(
やまおく
)
へと
進
(
すゝ
)
んで
行
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一
(
ひ
)
い、
二
(
ふ
)
う、
三
(
み
)
い、
四
(
よ
)
お、
五
(
い
)
つ、
六
(
む
)
う、
七
(
なな
)
、
八
(
や
)
あ、
九
(
ここ
)
、
十
(
とを
)
、十一、十二……十三……
落葉日記(三場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
秋の日の暮れ切つた
暮
(
くれ
)
六
(
む
)
つ
半
(
はん
)
(午後七時)頃である。小僧はどこへか
使
(
つかい
)
に出た。
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「種員さん、もうやがて
六
(
む
)
ツだろうが先生はどうなされた事だろうの。」
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして、裏面には、
六
(
む
)
つ
手薊
(
であざみ
)
の模様が、透し彫りになっているのだ。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
つきて見む
一
(
ひ
)
二
(
ふ
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
い
)
六
(
む
)
七
(
な
)
八
(
や
)
九
(
ここ
)
の
十
(
とを
)
手もて数へてこれの手鞠を
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
唱 六っの道今は迷はじ
六
(
む
)
っの文字
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「——
五
(
い
)
ツ、
六
(
む
)
ウ、……」
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
六
(
む
)
たび歌よみに与ふる書
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
六
(
む
)
もと
七
(
なゝ
)
もと立つ柳
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
七
(
なゝ
)
つの
指
(
ゆび
)
を
六
(
む
)
つおりて
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
六
(
む
)
つかしい白髪頭の家来達の外に、男というものを見たことの無い京姫は、この不思議な男——
何時
(
いつ
)
ぞやの闖入者、——小柄で綺麗で
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「わたしは、あなたよりなお大丈夫です。——それからと、ええと、少しく
六
(
む
)
ずかしくなって来たな。どうも訳し——いや読みにくい」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
到底詩的趣味の感懐を満足させることは
六
(
む
)
つかしい、普通一般的浅薄な娯楽としてはもちろんこの上なきものであろうが
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
みんな
六
(
む
)
つの
瀬戸
(
せと
)
もののエボレットを
飾
(
かざ
)
り、てっぺんにはりがねの
槍
(
やり
)
をつけた
亜鉛
(
とたん
)
のしゃっぽをかぶって、
片脚
(
かたあし
)
でひょいひょいやって行くのです。
月夜のでんしんばしら
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
従って万事は心の問題であるので技法としてお伝えする事も甚だ
六
(
む
)
つかしい。私自身も油絵という船に目下皆様と共に乗り込んで難航最中なのである。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
……来かゝる途中に、
大川
(
おおかわ
)
が
一筋
(
ひとすじ
)
流れる……
其
(
そ
)
の下流のひよろ/\とした——
馬輿
(
うまかご
)
のもう通じない——
細橋
(
ほそばし
)
を渡り果てる頃、
暮
(
くれ
)
六
(
む
)
つの鐘がゴーンと鳴つた。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
女子
(
をなご
)
こそ世に
優
(
やさ
)
しきものなれ。戀路は
六
(
む
)
つに變れども、思ひはいづれ一つ魂に
映
(
うつ
)
る哀れの影とかや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
中にも恒太郎は長二が余りの無作法に
赫
(
かっ
)
と
怒
(
いか
)
って、
突然
(
いきなり
)
長二の
髻
(
たぶさ
)
を掴んで仰向に引倒し、拳骨で長二の頭を五つ
六
(
む
)
つ続けさまに
打擲
(
ぶんなぐ
)
りましたが、少しもこたえない様子で
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どう考えても乃公は悪人ではないが、古久先生の古帳面に
蹶躓
(
けつまづ
)
いてからとても
六
(
む
)
ツかしくなって来た。彼等は何か意見を持っているようだが、わたしは全く推測が出来ない。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「何んでもいいから
石町
(
こくちょう
)
の
六
(
む
)
つを聞いたら、もう一度ここへ来てくんねえ。勝負にならねえといわれたんじゃ歌麿の
名折
(
なおれ
)
だ。飽くまでその陰女に会って、お前の敵を討たにゃならねえ」
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
氣
(
き
)
の
優
(
やさ
)
しい
方
(
かた
)
なれば
此樣
(
こん
)
な
六
(
む
)
づかしい
世
(
よ
)
に
何
(
ど
)
のやうの
世渡
(
よわた
)
りをしてお
出
(
いで
)
ならうか、
夫
(
そ
)
れも
心
(
こゝろ
)
にかゝりまして、
實家
(
じつか
)
へ
行
(
ゆ
)
く
度
(
たび
)
に
御樣子
(
ごやうす
)
を、もし
知
(
し
)
つても
居
(
ゐ
)
るかと
聞
(
き
)
いては
見
(
み
)
まするけれど
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
縁の欠けた
土器
(
かわらけ
)
がたった一つ(底に飯粒がへばりついているところを見ると、元は
粥
(
かゆ
)
でも入れたものであろう。)捨てたように置いてあって、たれがしたいたずらか、その中に五つ
六
(
む
)
つ
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ソノウチ普請モ出来、新宅ヘ移リ居ルト、右京方ニテハ跡取ガ二歳故、本家ノ天野岩蔵トイウ仁ガ、久来ノ意趣ニテ、家督願ノ時
六
(
む
)
ツカシク云イ出シテ、右京ノ家ヲツブサントシタカラ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
老いし兵
笑
(
わらひ
)
落しつかきかぞへ
一
(
ひ
)
二
(
ふ
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
い
)
六
(
む
)
七
(
な
)
八
(
や
)
九人
(
ここなたり
)
の子
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
五
(
いつ
)
つ
六
(
む
)
つ
越
(
こえ
)
たるが
子
(
こ
)
といふ者は長三郎とて今茲十九になる男子一
個
(
にん
)
然
(
さる
)
に此長三郎は
生
(
うま
)
れ附ての美男にて女の如き者なれば
誰
(
たれ
)
言
(
いふ
)
ともなく本町
業平
(
なりひら
)
又
(
また
)
小西屋の
俳優息子
(
やくしやむすこ
)
と評判殊に
高
(
たか
)
かるより夫婦は
何卒
(
なにとぞ
)
能
(
よき
)
嫁
(
よめ
)
取
(
とつ
)
て
樂隱居
(
らくいんきよ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
五めんなされよアラ
六
(
む
)
ずかしや。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
六
(
む
)
坪ばかりの庭ながら
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
かくして四、五日は
徒
(
いたず
)
らに過ぎた。健三が
漸
(
ようや
)
く
津
(
つ
)
の
守坂
(
かみざか
)
へ出掛けた時は
六
(
む
)
ずかしいかも知れないといった姉が、もう回復期に向っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宇佐美六郎の顔の
六
(
む
)
つかしさ、眉も眼も鼻も口も、キリリと引締って、次の間に通ずる厚っぽいカーテンへ、その鋭い目を
屹
(
きっ
)
と注ぎました。
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ここがはなはだ
六
(
む
)
つかしい誤解しやすいところですから、よく注意を願います、吾々とてその新しい珍らしい変化とか新思想を
毫末
(
ごうまつ
)
も嫌うのではない
子規と和歌
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
“六”の意味
《名詞》
六(ろく)
6。五より一多い数。カ行、ハ行の前では促音便になる。
(出典:Wiktionary)
六
常用漢字
小1
部首:⼋
4画
“六”を含む語句
六歳
六ヶ敷
六日
六合
六個
四六時中
六月
六ヶ
小六
六花
六十
十六夜
許六
六尺
中六番町
六時
六浦
六角
丈六
二六時中
...