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無
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む
ふりがな文庫
“
無
(
む
)” の例文
もちろん、
老人
(
ろうじん
)
の
志
(
こころざし
)
も
無
(
む
)
とならなかったばかりか、
B医師
(
ビーいし
)
は、
老人
(
ろうじん
)
の
好
(
す
)
きだったらしいすいせんを
病院
(
びょういん
)
の
庭
(
にわ
)
に
植
(
う
)
えたのでありました。
三月の空の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
所名
(
ところな
)
の
辻占
(
つじうら
)
も悪い。一条戻り橋まで来たときだった。
供奉
(
ぐぶ
)
の面々は急に
轅
(
ながえ
)
を抑えて立ちどまった。いや
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二、み車を
回
(
まわ
)
し初めた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
短刀を鞘へ収めて右脇へ引きつけておいて、それから
全伽
(
ぜんが
)
を組んだ。——
趙州
(
じょうしゅう
)
曰く
無
(
む
)
と。無とは何だ。
糞坊主
(
くそぼうず
)
めとはがみをした。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大悟徹底
(
だいごてってい
)
と花前とは
有
(
ゆう
)
と
無
(
む
)
との
差
(
さ
)
である。花前は
大悟徹底
(
だいごてってい
)
の
形
(
かたち
)
であって
心
(
こころ
)
ではなかった。
主人
(
しゅじん
)
はようやく
結論
(
けつろん
)
をえたのであった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その全力を尽して働くもので all or nothing(
皆
(
かい
)
か
然
(
しか
)
らずんば
無
(
む
)
)の法則が厳然として行われつゝあるのだ。
恋愛曲線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
有
(
う
)
(存在)に対する
無
(
む
)
(非存在)というような、そんな、単純な空という意味ではない、ということをお話ししておきました。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
前後のお供は、馬の顔をしたのや、牛の顔をした者ばかりで、車の前には、
無
(
む
)
という字の書いた鉄の
札
(
ふだ
)
が打ちつけてあった。
現代語訳 平家物語:06 第六巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
馬を
彫
(
ほ
)
らせては、当代
唯
(
ゆい
)
一
無
(
む
)
二の名ある
作阿弥
(
さくあみ
)
殿、イヤ、かようなところに、名を変えてひそんでおられようとは……?
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
陽城公が
詔
(
みことのり
)
に答えていうのは……臣、六典ノ書ヲ
按
(
あん
)
ズルニ、任土ハ
有
(
う
)
ヲ貢シテ
無
(
む
)
ヲ貢セズ、道州ノ水土生ズル所ノ者
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
訳の解らねえ奴が大将になり、さて一旦大将になると、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二そいつに獅噛み付く。子供から孫、孫から
曽孫
(
ひまご
)
、ずっと大将を譲り受けるんだからなあ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人間
(
にんげん
)
ではどんなに
深
(
ふか
)
い
統一
(
とういつ
)
に
入
(
はい
)
っても、
躯
(
からだ
)
が
残
(
のこ
)
ります。いかに
御本人
(
ごほんにん
)
が
心
(
こころ
)
で
無
(
む
)
と
観
(
かん
)
じましても、
側
(
そば
)
から
観
(
み
)
れば、その
姿
(
すがた
)
はチャーンと
其所
(
そこ
)
に
見
(
み
)
えて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
で、その
家
(
いえ
)
と
総
(
すべて
)
の
什具
(
じゅうぐ
)
とは、
棄売
(
すてうり
)
に
払
(
はら
)
われて、イワン、デミトリチとその
母親
(
ははおや
)
とは
遂
(
つい
)
に
無
(
む
)
一
物
(
ぶつ
)
の
身
(
み
)
となった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
出来る
丈
(
だけ
)
悪く造られてゐる。世界の出来たのは
失錯
(
しつさく
)
である。
無
(
む
)
の安さが誤まつて
攪乱
(
かうらん
)
せられたに過ざない。世界は認識によつて無の安さに帰るより外はない。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
けれどもだんだん
何
(
なに
)
も
聞
(
きこ
)
えなくなつていつの
間
(
ま
)
にか
彼女
(
かれ
)
は、
無
(
む
)
にゐることを
覺
(
おぼ
)
えるやうになつたのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
いや、それは
身
(
み
)
を
躱
(
かは
)
した
所
(
ところ
)
が、
無
(
む
)
二
無
(
む
)
三に
斬
(
き
)
り
立
(
た
)
てられる
内
(
うち
)
には、どんな
怪我
(
けが
)
も
仕兼
(
しか
)
ねなかつたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
顏へ
煤
(
すゝ
)
を塗る手は古いが、眼尻へ
鬢附油
(
びんつけあぶら
)
を塗つて、頬の引つつりを
無
(
む
)
二
膏
(
かう
)
で拵へるとは
新手
(
あらて
)
だつたね。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
墓のかなたにはだれにも同じ虚無があるばかりだ。背徳漢サルダナパロスであろうと、聖者ヴァンサン・ド・ポールであろうと、常に同じ
無
(
む
)
に帰する。それが真実である。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
露西亞等
(
ロシヤとう
)
の
元氣
(
げんき
)
盛
(
さか
)
んなる
人々
(
ひと/″\
)
は
脛
(
すね
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
跳
(
をど
)
り
出
(
で
)
たので、
私
(
わたくし
)
もツイ
其
(
その
)
仲間
(
なかま
)
に
釣込
(
つりこ
)
まれて、一
發
(
ぱつ
)
の
銃聲
(
じうせい
)
と
共
(
とも
)
に
無
(
む
)
二
無
(
む
)
三に
驅
(
かけ
)
つたが、
殘念
(
ざんねん
)
なるかな、
第
(
だい
)
一
着
(
ちやく
)
に
决勝點
(
けつしようてん
)
に
躍込
(
をどりこ
)
んだのは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
永い間の御親切を
無
(
む
)
にして仇し男と、甲州くんだりまで逃げ出した挙句、江戸へ戻れば、阪上様のお屋敷奉公。さぞ憎い奴だと思し召したでござんしょう。——ですがお師匠さん。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
さしては
折角
(
せつかく
)
の
志
(
こゝろざし
)
を
無
(
む
)
にして
汝
(
なんぢ
)
の
忠心
(
まごころ
)
露
(
あらは
)
れず、
第一
(
だいいち
)
予
(
よ
)
がたしなみにならぬなり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
涙香
(
るいこう
)
小史のほん
案
(
あん
)
小説に「怪美人」というのがあるが、見物して見るとあれではない、もっともっと
荒唐
(
こうとう
)
無
(
む
)
けいで、奇怪
至極
(
しごく
)
の筋だった。でもどっか、涙香小史を思わせる所がないでもない。
百面相役者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
曙色
(
あけぼのいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、「時」の色「
無
(
む
)
」の色を浮べて、
獅身女面獸
(
スフインクス
)
の
微笑
(
ほゝゑみ
)
を思はせる
暗色
(
あんしよく
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
虚無
(
きよむ
)
に向つて開いた
笑顏
(
ゑがほ
)
、その嘘つきの所が今に好きになりさうだ、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
お前に気の毒だから、若し向うで百両を返さぬとなれば百金は
私
(
わし
)
が
償
(
つぐな
)
ってお前に上げる心得だ、お前の為に百両は損をする気で中へ這入るのだから、其の志を
無
(
む
)
にしないで、お村を諦めなさいよ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それ
無
(
む
)
にして、変な小細工をするなら、おれはもう手を引くからそう思ってくれ。
後日
(
ごにち
)
に何事が起っても、主人の首に縄が付いても、ここの店が引っくり返っても、決しておれを恨みなさんなよ。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とまったときにはじめてやむもので、これは禅宗のほうでもそうでありますが、始め題を出しまして、「
趙州
(
じょうしゅう
)
の
無
(
む
)
」という題を出す。
狗子
(
くし
)
に
仏性
(
ぶっしょう
)
があるかないか。と問われて、趙州が無といった。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
小供可愛いさの一念から崖道、絶壁の頓着なく、
捨
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二に押し登る。
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
是
(
こ
)
れ
皆
(
みな
)
憎
(
にく
)
いが
原
(
もと
)
とは
言
(
い
)
へ、
可愛
(
かはゆ
)
いにも
深
(
ふか
)
い/\
縁
(
えん
)
がある……すれば
是
(
こ
)
りゃ
憎
(
にく
)
みながらの
可愛
(
かはゆ
)
さ!
可愛
(
かはゆ
)
いながらの
憎
(
にく
)
さといふもの!
無
(
む
)
から
出
(
で
)
た
有
(
う
)
ぢゃ!
悲
(
かな
)
しい
戲
(
たはぶ
)
れ、
沈
(
しづ
)
んだ
浮氣
(
うはき
)
、
目易
(
めやす
)
い
醜
(
みにく
)
さ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
嘘
(
ふ
)
き掛けたただの一息で、
無
(
む
)
にするのを忍ばねばならぬ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
南
(
な
)
ア
無
(
む
)
ウ
阿
(
あ
)
ア
弥
(
み
)
イ
陀
(
だ
)
ア
仏
(
ぶつ
)
ウ」
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
南
(
な
)
無
(
む
)
阿
(
あ
)
弥
(
み
)
陀
(
だ
)
仏
(
ぶつ
)
」
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
父
(
とゝ
)
さま
無
(
む
)
二の
御懇意
(
ごこんい
)
とて
恥
(
はづ
)
かしき
手前
(
てまへ
)
に
薄茶
(
うすちや
)
一
服
(
ぷく
)
參
(
まゐ
)
らせ
初
(
そめ
)
しが
中々
(
なか/\
)
の
物思
(
ものおも
)
ひにて
帛紗
(
ふくさ
)
さばきの
靜
(
しづ
)
こゝろなく
成
(
な
)
りぬるなり
扨
(
さて
)
もお
姿
(
すがた
)
に
似
(
に
)
ぬ
物
(
もの
)
がたき
御氣象
(
ごきしよう
)
とや
今
(
いま
)
の
代
(
よ
)
の
若者
(
わかもの
)
に
珍
(
めづ
)
らしとて
父樣
(
とゝさま
)
のお
褒
(
ほ
)
め
遊
(
あそ
)
ばす
毎
(
ごと
)
に
我
(
わが
)
ことならねど
面
(
おも
)
て
赤
(
あか
)
みて
其坐
(
そのざ
)
にも
得堪
(
えたへ
)
ねど
慕
(
した
)
はしさの
數
(
かず
)
は
増
(
まさ
)
りぬ
左
(
さ
)
りながら
和女
(
そなた
)
にすら
云
(
い
)
ふは
始
(
はじ
)
めて
云
(
い
)
はぬ
心
(
こゝろ
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それらの無数な
精霊
(
しょうりょう
)
に内心で直面するとき、正成はいつもそそけ立ッた
面
(
おも
)
もちになる。ひとりの犠牲も
無
(
む
)
にしてはと詫びるのらしい。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旅人
(
たびびと
)
は、
少年
(
しょうねん
)
のしんせつを
無
(
む
)
にしてはいけないと
思
(
おも
)
って、
黙
(
だま
)
って、ほほえみながら、そのうしろ
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
っていたのです。
その日から正直になった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
行灯
(
あんどう
)
も
蕪村
(
ぶそん
)
の
画
(
え
)
も、畳も、
違棚
(
ちがいだな
)
も有って無いような、無くって有るように見えた。と云って
無
(
む
)
はちっとも
現前
(
げんぜん
)
しない。ただ
好加減
(
いいかげん
)
に坐っていたようである。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
も
無
(
む
)
に致すにより
固
(
かた
)
く相斷り候て受取申さゞるを市之丞は
本意
(
ほい
)
なく存じたるにや私し儀質物流れの掛合に參り候留守に
煙草盆
(
たばこぼん
)
の
中
(
うち
)
へ人知れず入れ置て歸りしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
実際
(
じっさい
)
人間
(
にんげん
)
は
自分
(
じぶん
)
の
意旨
(
いし
)
に
反
(
はん
)
して、
或
(
あるい
)
は
偶然
(
ぐうぜん
)
なことの
為
(
ため
)
に、
無
(
む
)
から
生活
(
せいかつ
)
に
喚出
(
よびだ
)
されたものであるのです……。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あたま数で押して、
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二討ちとってしまおうと、自分はすばやく
岩淵達之助
(
いわぶちたつのすけ
)
のうしろへまわって
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
同時にまた次第に粟野さんの好意を
無
(
む
)
にした気の毒さを感じはじめた。粟野さんは十円札を返されるよりも、むしろ
欣然
(
きんぜん
)
と受け取られることを満足に思ったのに違いない。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
予をわずらわすこの大なる
全
(
ぜん
)
を
仆
(
たお
)
せ、予を安静ならしむるかの
無
(
む
)
なるかな、である。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それもこれも悲しさ
嬉
(
うれ
)
しさ一度に胸にこみ合い止め度なくなったゆえとおゆるし下されたく、省さま、わたしはこの
頃
(
ごろ
)
無
(
む
)
しょうと気が弱くなりました。あなたさまの事を思えばすぐ涙が出ますの。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
純な乙女の恋心、宗三郎が道人の後を追い、名古屋へ行ったと知った時、浜路は
遮
(
しゃ
)
二
無
(
む
)
二一人ででも、後を追おうと云い出した。仁右衛門一時は止めたものの、止めて止まりそうな様子ではない。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
傷が淺かつたので、
無
(
む
)
二
膏
(
かう
)
を貼つただけで濟ませてをります。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
無
(
む
)
に対して立っているある物
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
解
(
げ
)
せぬ娘でござります。殿の御親切を
無
(
む
)
にいたすばかりか、拙者に口実を申して、その同心屋敷の辺から、姿を消してしまいました」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
其家
(
そのいへ
)
と
總
(
すべて
)
の
什具
(
じふぐ
)
とは、
棄賣
(
すてうり
)
に
拂
(
はら
)
はれて、イワン、デミトリチと
其母親
(
そのはゝおや
)
とは
遂
(
つひ
)
に
無
(
む
)
一
物
(
ぶつ
)
の
身
(
み
)
となつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ばお
勸
(
すゝめ
)
申せば
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも
偏
(
かたよ
)
りし事のみ
被仰
(
おつしやり
)
お
出
(
いで
)
なくば御兩親樣が折角のお心盡しも
無
(
む
)
に成て返つて
掛
(
かけ
)
る
御心配
(
ごしんぱい
)
學問なさるが
親不孝
(
おやふかう
)
と申すは
茲
(
こゝ
)
の次第なりと一什を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いっさいの
有
(
ゆう
)
かいっさいの
無
(
む
)
、抱きしめる手でそのまま殺すことも彼女にとっては同じだったが、さすがに殺しは得ずして助けて来た左膳、日々近く手もとにおいてみると
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「君の親切を
無
(
む
)
にしては気の毒だが僕は転地なんか、したくないんだから
勘弁
(
かんべん
)
してくれ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……おろそかなるべき事にはあらねど、かすかなる
住居
(
すまい
)
推
(
お
)
し
量
(
はか
)
り給え。……さてもこの三とせまで、いかに
御心
(
みこころ
)
強く、
有
(
う
)
とも
無
(
む
)
とも承わらざるらん。……とくとく
御上
(
おんのぼ
)
り候え。恋しとも恋し。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
遮
(
しや
)
二
無
(
む
)
二飛込むガラツ八。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“無”の解説
無(む、无)とは、ないこと、存在しないこと。事物あるいは対象となる事柄が有を成さないといった様態及び概念。物体が物質的構成を成さないこと。一切の否定を一般化した表現。対義語は有。「定義されていない(未定義)」事とは意味合いが異なる場合がある。
(出典:Wikipedia)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“無”を含む語句
無情
無頼漢
無言
無上
無礼
情無
有無
無事
無益
南無阿弥陀仏
無邪気
無花果
無性
傍若無人
無明
無禮
無頓着
無聊
無精
無手
...