“鯨波”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とき64.9%
ときのこえ13.5%
げいは10.8%
くじらなみ5.4%
くぢらなみ2.7%
スローガン2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さてはや、念佛ねんぶつ題目だいもく大聲おほごゑ鯨波ときこゑげてうなつてたが、やがてそれくやうによわつてしまふ。取亂とりみださぬもの一人ひとりもない。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その沈着な容子と、朗々たる音吐おんとに、一瞬敵味方とも耳をすましたが、終ると共に、玄徳の兵が、わあっと正義のいくさたる誇りを鯨波ときのこえとしてあげた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敗軍の鯨波げいはは、まっ黒に北へなだれ、西へまよい、その間にもなお多くの死傷者を出しながら、やがて南のほうへ一路潰走かいそうしはじめた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
越後の鯨波くじらなみといふ、日本海に面した名もない町へでかけたのだ。着いた日は海も見えない吹雪だつたといふ。便りの冒頭にそんなことが書いてあるのだ。
蒼茫夢 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
鯨波くぢらなみは少し雑沓しすぎる。あそこよりも設備はないが、親不知おやしらずあたりの方が、山も大きいし海も怒濤に富んでゐて、感じが好い。
談片 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
現代は個人主義の時代であり、少数者の時代であるとは全ての政治家、社会主義者を問はず一様に提唱し又屡々しばしば繰返される鯨波スローガンである。
少数と多数 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)