“鯨幕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くじらまく75.0%
くぢらまく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
思いきや、時にあなたなる西側にしがわ鯨幕くじらまくをしぼって、すらりと姿すがたをあらわした壮漢そうかんの手には、遠目とおめにもチカッと光る真槍しんそうが持たれていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしは亡くなった義父の棺桶かんおけを見ているような気持ちだった。千光寺山には紅白の鯨幕くじらまくがちらほら見えた。因の島の三ツ庄へ行くのを西行きとまちがえてたくまと云う土地へ上った。
田舎がえり (新字新仮名) / 林芙美子(著)
鯨幕くぢらまくの後ろから棺へ脇差を突つ込んだ利三郎が、どうして壇の前に居て善八を介抱したのでせう」
サツと一陣の晝の風が吹くと、棺の後ろの鯨幕くぢらまくが動いて、何やら不吉なうめき聲——。