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『蒼茫夢』
ふりがな文庫
『
蒼茫夢
(
そうぼうむ
)
』
冬の明方のことだつた。夜はまだ明けない。然し夜明けが近づかうとしてゐるのだ。夜の不気味な妖しさが衰へて、巨大な虚しい悲しさが闇の全てに漲りはじめてゐる。草吉はそのとき自然に目を覚した。 室内も窓の彼方も一色の深い暗闇ではあつたが、重量の加は …
著者
坂口安吾
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「作品 第六巻第四号」1935(昭和10)年4月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約40分(500文字/分)
朗読目安時間
約1時間7分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
確
(
し
)
鯨波
(
くじらなみ
)
忍
(
しのぶ
)
宮内
(
みやうち
)
燈火
(
あかり
)
音
(
ね
)
階下
(
した
)
長閑
(
のどか
)
這々
(
ほうほう
)
炬燵
(
こたつ
)
跫音
(
あしおと
)
跣足
(
はだし
)
顳顬
(
こめかみ
)
貉
(
むじな
)
鱧
(
はも
)
石打
(
いしうち
)
瞶
(
みつ
)
異体
(
えたい
)
黝
(
くろ
)
甃
(
いしだたみ
)
二月
(
ふたつき
)
欷泣
(
すすりな
)
旅籠
(
はたご
)
投
(
ほう
)
悒鬱
(
ゆううつ
)
彷徨
(
さまよ
)
屡々
(
しばしば
)
娘
(
こ
)
土樽
(
つちたる
)
土合
(
どあい
)
咒
(
のろ
)
却々
(
なかなか
)
午
(
ひる
)
医
(
いや
)
倅
(
せがれ
)