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破落戸
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ならずもの
ふりがな文庫
“
破落戸
(
ならずもの
)” の例文
「左様でございます、
破落戸
(
ならずもの
)
か、
賭博打
(
ばくちうち
)
のような
人体
(
にんてい
)
でもあり、口の利き方はお武家でございました、大方、浪人の食詰め者でございましょう」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは震災
前
(
ぜん
)
新橋の芸者家に出入していたと云う車夫が今は一見して人殺しでもしたことのありそうな、人相と
風体
(
ふうてい
)
の悪い
破落戸
(
ならずもの
)
になって、
折節
(
おりふし
)
尾張町辺を
徘徊
(
はいかい
)
し
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
本家から持ち出したものは、少しずつ本家へ
還
(
かえ
)
って往った。新家は博徒
破落戸
(
ならずもの
)
の遊び所になった。博徒の親分は、人目を忍ぶに倔強な此家を
己
(
わ
)
が
不断
(
ふだん
)
の住家にした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
目を奪われ、魂を盗まれた、二人の
破落戸
(
ならずもの
)
、一人の慾婆、そうした秘密を嗅ぎ分けることも、見わけることも出来ず、めいめいの
煩悩
(
ぼんのう
)
、慾念に、
涎
(
よだれ
)
も流さんばかりの浅間しさだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
お
金子
(
かね
)
を遣って
旅籠屋
(
はたごや
)
を世話するとね、
逗留
(
とうりゅう
)
をして帰らないから、旦那は不断女にかけると
狂人
(
きちがい
)
のような
嫉妬
(
やきもち
)
やきだし、相場師と云うのが
博徒
(
ばくちうち
)
でね、命知らずの
破落戸
(
ならずもの
)
の子分は多し
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「まあ失礼な、なんという恥知らずの
破落戸
(
ならずもの
)
でしょう」「よく知らせて下すった、長いあいだお世話さまと云いましてね、もう決してお邪魔はしないからって穏便に話がつきましたよ」
風流化物屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
けれどもこの園遊に行った時分にはいかなる
破落戸
(
ならずもの
)
も余り喧嘩をして居るのを見ないです。全くないという断言も出来ますまいけれども、私の見聞したところではそんな事は全くなかった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
買
馴染
(
なじみ
)
互
(
たが
)
ひに惡からず思ひ居たりしうち或時不
動院
(
どうゐん
)
と
馴合
(
なれあひ
)
彼のお芳を盜み出し寺へ
匿
(
かくま
)
ひ置しが其後
彌生
(
やよひ
)
の
節句
(
せつく
)
となりて庭にてお芳に田樂を
燒
(
やか
)
せ法印始九郎兵衞其外土地の
破落戸
(
ならずもの
)
五六人集り酒を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
相手は聊か此方の熱心に不審を抱いたものか、一寸の間警戒の色を示しましたが、生来がお喋りなので有りましょう、ええそうよ、お察しの通りよ、何でも御亭主って云う人が
破落戸
(
ならずもの
)
見たいな人で
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
こう云ったのは
破落戸
(
ならずもの
)
に扮した、稲葉小僧新助であり
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「隨分
破落戸
(
ならずもの
)
も居るだらうね」
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
筒袖
(
つつそで
)
を着て
袴腰
(
はかまごし
)
のあるズボンを
穿
(
は
)
いているからそれでそう言ったもので、あんまり良い人が集まらなかったから、多くは市中の
破落戸
(
ならずもの
)
を集めたものであります。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
其れをつけ込んで、近郷近在の
破落戸
(
ならずもの
)
等が借金に押しかけ、数千円は斯くして還らぬ金となった。彼の家には精神病の血があった。彼も到頭遺伝病に犯された。其為彼の妻は彼と別居した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「この
破落戸
(
ならずもの
)
!」と一喝した。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それと見た博徒や
破落戸
(
ならずもの
)
の連中は同じように丸太を足場にして、見世物小屋へ
這
(
は
)
い上って追っかけました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「随分
破落戸
(
ならずもの
)
も居るだろうね」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見世物小屋の
掟
(
おきて
)
で、あんなことをしてブチ壊しをやった芸人は、見世物師の背後についている
破落戸
(
ならずもの
)
が寄ってたかって
手酷
(
てひど
)
い制裁を加えて追い出すのであったが
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“破落戸”で始まる語句
破落戸漢
破落戸風
破落戸仲間