“してい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
子弟26.3%
師弟21.1%
指定10.5%
使丁10.5%
私第10.5%
士楨5.3%
姉弟5.3%
賜第5.3%
賜邸5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君ならでは人にして人に非ずとうたはれし一門の公達きんだち宗徒むねとの人々は言ふもさらなり、華冑攝籙くわちゆうせつろく子弟していの、苟も武門の蔭を覆ひに當世の榮華に誇らんずるやから
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そして、どちらからともなく手がのびて、師弟していのかたい握手がかわされたのでした。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
十分ばかりしてまた出て来た彼は、お延をむなしく引きとめておいたわびを述べた。指定していの本はちょっと見つからないから、彼の父の帰り次第、こっちから届けるようにすると云った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
シムトン会長をおとずれると、いかめしい使丁していがでてきて、うすぐらい廊下づたいに案内をした。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「天子のお召しに応じて、何事かと、参内いたしましたところ、思いがけなく、錦の御衣と玉帯とを賜わり、天恩のかたじけなさに、実は、気もそぞろに、私第していへ退がって参ったところです」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしは楝軒れんけん詩集に拠つて此の如くに断ずる。楝軒は浅川氏、名は勝周しようしうあざな士楨してい、通称は登治右衛門とぢゑもん、茶山の集に累見せる「浅川」である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
姉弟していの家を焼かれ、数人の知友を死せしめしが故に、み難き遺憾ゐかんを感ずるのみ。我等は皆なげくべし、歎きたりといへども絶望すべからず。絶望は死と暗黒とへの門なり。
賜第していは壱岐坂にあつた。これは次年の菅茶山の手紙の考証に資せむがために記して置くのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
幕府瓦解の際、成島柳北が下谷和泉橋通いずみばしどおり賜邸していを引払い、向島須崎村すさきむらの別荘を家となしてから其詩文には多く濹の字が用い出された。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)