“子弟(してい)” の例文
宗助(そうすけ)は相當(さうたう)に資産(しさん)のある東京(とうきやう)ものゝ子弟(してい)として、彼等(かれら)に共通(きようつう)な派出(はで)な嗜好(しかう)を學生(がくせい)時代(じだい)には遠慮(ゑんりよ)なく充(み)たした男(をとこ)である。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
君ならでは人にして人に非ずと唱(うた)はれし一門の公達(きんだち)、宗徒(むねと)の人々は言ふも更(さら)なり、華冑攝籙(くわちゆうせつろく)の子弟(してい)の、苟も武門の蔭を覆ひに當世の榮華に誇らんずる輩(やから)は
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
何分此校の生徒の大多數が農家の子弟(してい)であるので、時間の正確を守らうとすれば、勢い始業時間迄に生徒の集りかねる恐れがあるから、といふ事であるが、實際は
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
お互(たが)いの子弟(してい)を依頼するは、ただ文字や数学を教えらるるが目的でない。いわば霊魂(たましい)の教育をお頼みするのである。かかる重大事を十五円の月給取りに頼むことはあまり心もとない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
學院(がくゐん)に遣(つか)はして子弟(してい)に件(ともな)はしむれば、愚(ぐ)なるが故(ゆゑ)に同窓(どうさう)に辱(はづかし)めらる。更(さら)に街西(がいせい)の僧院(そうゐん)を假(か)りて獨(ひと)り心靜(こゝろしづ)かに書(しよ)を讀(よ)ましむるに、日(ひ)を經(ふ)ること纔(わづか)に旬(じゆん)なるに、和尚(をしやう)のために其(そ)の狂暴(きやうばう)を訴(うつた)へらる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)