“泣言”の読み方と例文
読み方割合
なきごと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貧乏咄をして小遣銭こづかいせんにも困るような泣言なきごとを能くいっていても、いつでもゾロリとした常綺羅じょうきらで、困ってるような気振けぶりは少しもなかった。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
其日誠吾は中々なか/\かねを貸してらうと云はなかつた。代助も三千代みちよが気の毒だとか、可哀想だとか云ふ泣言なきごとは、可成避ける様にした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
のがれて嬉しいという多くの歌を残しているのと反対に、そんな泣言なきごとはもう流行しなくなってから、かえっておそろしく塵が我々を攻め出した。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)