小遣銭こづかひせん)” の例文
旧字:小遣錢
わかぎはに父は、舎費を三ヶ月分納めたので、先刻さつき渡した小遣銭こづかひせんを半分ほどこつちに寄越よこせ、宿屋の払ひが不足するからと言つた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼は両手をあげ、一層声を高めました。『さあ、その手を放して、この子に小遣銭こづかひせんをおやりなさい。』
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
父の日記は、大凡おほよそ農業日記であつて、そのなかに、ぽつりぽつり、僕に呉れた小遣銭こづかひせんの記入などがあるのである。明治廿二年のくだりに、宝泉寺え泥ぼうはひり、伝右衛門下男げなんもちて表よりゆく
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)