“埒外”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らちがい71.0%
らちぐわい19.4%
らちそと3.2%
らつがい3.2%
らつぐわい3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唯その方向を埒外らちがいに逸しないことにある。この頃、夜毎に蟋蟀こおろぎが啼いているが、耳を澄ませばその一つ一つに、いい知れぬ特色がある。
日本的童話の提唱 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども其の埒外らちぐわいゐつすることの出來ないのが運命うんめいなのだから爲方しかたがない、性格悲劇せいかくひげきといふ戯曲ぎきよく一種いつしゆがあるが、僕等が丁度てうど其だ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
阪を上って放牧場の埒外らちそとを南へ下り、ニタトロマップの細流さいりゅうを渡り、斗満殖民地入口と筆太ふでぶとに書いた棒杭ぼうぐいを右に見て、上利別かみとしべつ原野げんやに来た。野中のなかおかに、ぽつり/\小屋が見える。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何方どっち付かずに真中へ立って、煮え切らずに前進する事は容易であった。けれども、今の彼は、不断の彼とは趣を異にしていた。再び半身を埒外らつがいぬきんでて、余人と握手するのは既に遅かった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何方付どつちつかずに真中まんなかつて、煮え切らずに前進する事は容易であつた。けれども、いまかれは、不断ふだんの彼とはおもむきを異にしてゐた。再び半身を埒外らつぐわいぬきんでて、余人と握手するのは既におそかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)