蟋蟀いとど)” の例文
蟋蟀いとどの声もおさない秋のはじめに、毎夜のように屋形の裏庭で忍び逢う退引ならぬ関係になっていたのである。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
蟋蟀いとどならばひとり鳴きてもありぬべしひとり鳴きても夜は明けぬべし
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
屋根のうへにも鳴く蟋蟀いとど
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)