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主婦
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おかみ
ふりがな文庫
“
主婦
(
おかみ
)” の例文
(まあ、
主婦
(
おかみ
)
さんもこのごろは金の催促がうまくなったこと! それにしても、まだ年が若いのに、この人もほんとに気の毒な……)
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
すると、彼の目の前に下宿の
主婦
(
おかみ
)
のあぶらぎった顔が浮んだ。彼は自分が痩せて居たために、ふとった人間を見ると
癪
(
しゃく
)
にさわった。
死の接吻
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
といって、加藤の家の
主婦
(
おかみ
)
さんが
伝言
(
ことづけ
)
をしていたというから、それで喜久井町の家の未練を思いきって
其家
(
そこ
)
へ移ることに決心した。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
それに
余程
(
よつぽど
)
の気紛れ
者
(
もん
)
でね。稼ぎ出すと鼻唄をやり乍ら滅法稼いでるが、怠け出したら一日
主婦
(
おかみ
)
に怒鳴られ通しでも平気なもんだ。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
善良な者はそんなめには
遭
(
あ
)
わさない、あの料理屋の
主婦
(
おかみ
)
も、一種の悪党だ、医学士の犠牲にさしてもかまわないから犠牲にしたさ
雨夜続志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
「八百屋の
主婦
(
おかみ
)
さんにこの先また何と云はれるか分りませんから、わたしの家で湯を使へるやうにいたしました。」と云ふと
水不足
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
奥の帳場格子の向うに、どんなことがあっても没表情な顔をくずさない
主婦
(
おかみ
)
さんが、ぼんやりした浅黒い顔を見せていた。村田は真直にその方へ行った。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彼は一つ大きく伸びをして、下宿の
主婦
(
おかみ
)
が置いて行ってくれた、
枕頭
(
まくらもと
)
の新聞を拡げると、彼の癖として
先
(
ま
)
ず社会面に眼を通した。別に面白い記事も見当らぬ。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
次の朝、古龍亭の若い
主婦
(
おかみ
)
さんに冬子の「身受け」が託せられた。春風楼へ楼主にすぐ来るように電話がかけられた。酒で眼を充血さした楼主がやって来た。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
折惡しくすつかり冷え切つてゐますので沸かして持つて參ります、と宿の
主婦
(
おかみ
)
は
周章
(
うろた
)
へて炭を火鉢につぐ。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
まあいいあんばいに、ここの
主婦
(
おかみ
)
が錠前屋を呼んで來て錠前をはずしてくれたから、とにかく助かったようなもんですが、——まったくいい恥っさらしですよ。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
主婦
(
おかみ
)
は心なく飛込むも異なものなり、そのまま階子段へ
引退
(
ひっさが
)
るも
業腹
(
ごうはら
)
なりで、おめおめと見せられる。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼の世話を一切引き受けている若い
主婦
(
おかみ
)
さんの手のふさがっている時など、娘の看病の合間に彼にも薬など進めに来てくれるおようの少し老けた顔などを見ながら
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「好いお天気でございます。」と声をかけつゝ牛乳屋の
主婦
(
おかみ
)
さんが頭を下げた。道助はちよつと
会釈
(
ゑしやく
)
をしてゆき過ぎた、「あの人の鼻はどうしてあんなに大きいのだ!」
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
「辰つアんが、こゝの
主婦
(
おかみ
)
の亭主だといふのは嘘らしいよ。また引つかゝつたかも知れない。」
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
嫁の
生家
(
さと
)
や近所への聞えを
憚
(
はばか
)
るところから、
主婦
(
おかみ
)
の取計いで、お島がそれとなく、浜屋といくらか縁続きになっている山の或温泉宿へやられたのは、その月の末頃であった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そこでちょっと以前泊ったことのある富士屋の
主婦
(
おかみ
)
さんを訪ねた。もとの通り太っていることは明かだったが、顔かたちを十分に識別することは出来ないほどに薄暗くなっていた。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
冬の間もちょくちょく来たんで、肥った
主婦
(
おかみ
)
さんがにこにこしながらやって来た。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
名古屋で正太さんが泊ってる家の
主婦
(
おかみ
)
さん……シッカリ者だなんて、よく貴方がたの
褒
(
ほ
)
めた……あの人が丹前なぞを造って、正太さんに着せてるといいますぜ——森彦さんが出て来た時
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
僕は、本当は、鈴岡さんの家がきらいなのだ。どうも俗だ。姉さんも、変ってしまった。結婚して、ほどなく家へ遊びにやって来たが、もう変っていた。カサカサに乾いていた。ただの
主婦
(
おかみ
)
さんだ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
と云った果物屋の
主婦
(
おかみ
)
さんの顔や、を見た。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
その時、
主婦
(
おかみ
)
が
新訂雲母阪
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
主婦
(
おかみ
)
の奴が玉子酒を
拵
(
こしら
)
へてくれたもんですから、それ飲んで寝たら少し汗が出ましたねす。まだ底の方が
些
(
ちよつ
)
と痛みますどもねす。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そこで彼は下宿屋の
主婦
(
おかみ
)
を槍玉にあげようかと思ったが、あんな人間を殺しても、なんだか物足りないような気がした。
死の接吻
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
第一番にあの
主婦
(
おかみ
)
がやって来て長々と例のやつを催促する。それから約束しておいたのだから、昨日は洋服屋が残りの金をとりに来たに相違ない。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
矢来に
一処
(
ひとところ
)
あったが、私は、
主婦
(
おかみ
)
を案内に空間を見たけれど、
仮令
(
たとい
)
何様
(
どん
)
な暮しをしようとも、これまで六年も七年も下宿屋の飯は食べないで来ているのに
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
神月は期せずして
主婦
(
おかみ
)
を下に去らしめた
件
(
くだん
)
の猪口を棄てて、手をその小さな女の胸に置いたのである。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「世の中のことは底には底があるのだから、迂闊に人に同情も出來やしない。八百屋の
主婦
(
おかみ
)
さんは、照れ隱しに
今朝
(
けさ
)
あんな泣き事見たいなことを云ひに來たんですよ。」
水不足
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
宿では
主婦
(
おかみ
)
さんからポルティエから、御客まで総出で騒いでいたが、
此
(
こ
)
の辺ではこんな時に泳ぐものはないと見える。久しく泳がなかったので、
翌
(
あく
)
る日は節々が痛んで弱ってしまった。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
話は
顛倒
(
てんとう
)
するが、その医学士だ、この二三日
前
(
ぜん
)
の新聞にあったから、君も見ているだろう、何とか云う料理屋の
主婦
(
おかみ
)
の大手術をして、病人がその日の
中
(
うち
)
に死んでしまったので、病人の家では
雨夜続志
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
おようは、
二月
(
ふたつき
)
の余も病院で初枝を徹底的に診て貰っていたが、その効はなく、結局医者にも見放された
恰好
(
かっこう
)
で、再び郷里に帰って行った。O村からは、牡丹屋の若い
主婦
(
おかみ
)
さんがわざわざ迎えに来た。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
後で解つたが、名はお芳と云つて、稼ぐ時は馬鹿に稼ぐ、
怠
(
なまけ
)
る時は
幾何
(
いくら
)
主婦
(
おかみ
)
に怒鳴られても平氣で怠ける、といふ、隨分
氣紛
(
きまぐ
)
れ者であつた。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
有り合せた自動電話に入って、そのお宮のいる沢村という家へ聞くと、お宮は居なくて、
主婦
(
おかみ
)
が出て
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
小浜屋の
主婦
(
おかみ
)
が
襖
(
ふすま
)
をドシンと打ったのが、古家だから、床の壁まで
家鳴
(
やなり
)
をするまで響いたのである。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
下宿へ帰った時、玄関のあたりに
主婦
(
おかみ
)
の姿が見えなかったので彼はほっと
幽
(
かす
)
かな吐息をした。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
「あの人だちは、とても八百屋の
主婦
(
おかみ
)
さんとは口の上で太刀打ちが出來やしませんよ。お向ひの奧さんを、何故わたしより先へ入れるつて、つけ/\とやり込めることもあるんですつて。」
水不足
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
『又來るよ。』と云ひ捨てた儘、彼は窓際を離れて、「
主婦
(
おかみ
)
はモウ大丈夫寢たナ。」と思ひ乍ら家路へ歩き出した。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主婦
(
おかみ
)
に大目玉をくった事があるんだけれど、
弥生
(
やよい
)
は里の
雛遊
(
ひなあそ
)
び……は
常磐津
(
ときわづ
)
か何かのもんくだっけ。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他の者の知らない間に
主婦
(
おかみ
)
さんが、もう
一昨日
(
おととい
)
から断られないお客様にお約束を受けていて、つい今、お
酉
(
とり
)
さまに連れられて行ったから、今晩は遅くなりましょうッて。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
『又来るよ。』と云ひ捨てた儘、彼は
窓側
(
まどぎは
)
を離れて、「
主婦
(
おかみ
)
はもう大丈夫寝たナ。」と思ひ乍ら家路へ歩き出した。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
膝に手を垂れ、腰を
屈
(
かが
)
めて、
戯
(
たわむれ
)
に会釈すると、トンはよくその心を得て、前足を下して尻尾を落した。
扁
(
ひらた
)
い犬の鼻と、
主婦
(
おかみ
)
の低い鼻は、畳を隔てて
真直
(
まっすぐ
)
に向い合った。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「雪岡さんかい?……どうぞお上んなさいと、そうおいい」奥の茶の間から
主婦
(
おかみ
)
の声がした。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
布袋の樣に
肥滿
(
ふと
)
つた、モウ五十近い氣丈の
主婦
(
おかみ
)
も、
外見
(
みかけ
)
によらぬ親切者、女中は小さいのを合せて三人居た。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主婦
(
おかみ
)
は、「御夫婦で仲よう行っていらっしゃいまし」と、
煙草
(
たばこ
)
を並べた店頭まで送り出した。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
お妻とお民と京千代と、いずれも養女で、小浜屋の
芸妓
(
げいしゃ
)
三人の上に、おおあねえ、すなわち、
主婦
(
おかみ
)
を、お
来
(
くる
)
といった——(その夜、隣から襖を叩いた人だが、)これに、伊作という弟がある。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
稼ぎ出すと鼻唄をやり乍ら滅法稼いでるが、怠け出したら一日
主婦
(
おかみ
)
に怒鳴られ通しでも平氣なもんだ。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『だつて
主婦
(
おかみ
)
さんが貴方の事心配してるよ。
好
(
え
)
え人だども、今から酒など飲んで、怎するだべて。』
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
咄嗟の間には、
主婦
(
おかみ
)
が起きて來るのぢやないかと思つて、ビクリとしたが、唯寢返りをしただけと見えて、立つ
氣配
(
けはひ
)
もせぬ。ムニヤムニヤと少年が寢言を言ふ聲がする。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
咄嗟
(
とつさ
)
の間に渠は、
主婦
(
おかみ
)
が起きて来るのぢやないかと思つて、ビクリとしたが、唯寝返りをしただけと見えて、立つた
気色
(
けはひ
)
もせぬ。ムニヤムニヤと少年が寝言を言ふ声がする。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主婦
(
おかみ
)
が
強
(
た
)
つて頼んだのでもなく、矢張
普通
(
ただ
)
の女中で、額の狭い、小さい目と小さい鼻を隠して了ふ程頬骨の突出た、
土臼
(
どうす
)
の様な尻の、先づ珍しい許りの
醜女
(
みたくなし
)
の
肥満人
(
ふとつちよ
)
であつた。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“主婦”の意味
《名詞》
主 婦(しゅふ)
家事を主な仕事とする妻。
(出典:Wiktionary)
“主婦”の解説
主婦(しゅふ、英:housewifeこの表現は現在では古い上に良いイメージの言葉ではなく、「家庭に隷属的な女性」というイメージを持つ言葉となっている。あるいはhomemaker)は、一般に家事・育児を主にする既婚(もしくは内縁)の女性をいう。
(出典:Wikipedia)
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
“主”で始まる語句
主
主人
主家
主水
主翁
主従
主題
主君
主税
主計