御内儀おかみ)” の例文
取ても卅二歳少々ちと婆々ばゝすぎますけれども其代りしうと厄介やくかいも子供もなくうちは其女獨りにて若御内儀おかみさんに成ならば其こそ/\貞女ていぢよ御亭主ごていしゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「まったく見当もつきません、主人も見覚えがないそうで、たぶん御内儀おかみさんが隠して持っていたものでしょう」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
安「ヘイ宜しゅうございますが、御内儀おかみさん、若旦那様も御病気の服装なりでも何んでしょうから、一寸ちょっと御紋付物か何かのお支度を成さいましては如何いかゞです」
その棟梁とうりょうの源七どんの御内儀おかみさんがつまりこちらのお絹さんでごぜえますが、入れたはよいとして、いかにも不思議というのは、もうかれこれひと月の上にもなるのに
「済みません、御内儀おかみさんも勘弁して、もう大丈夫、離して下さい。さ刀も」
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「な、御内儀おかみさん達よ、」
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
御内儀おかみさんが可哀想でなりません。見る人をみんな怖がって、とうとうあんな座敷牢をこしらえて、自分で入ってしまいましたが、離屋へ入るのはお嬢さんと私だけでございましたよ」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
捨賣すてうりにしても六七百兩ぐらゐ都合つがふ千五百兩餘の身代で御座りますときいて重四郎夫は大層たいそうなこと勿々なか/\然樣さやうな處では先が不承知でと半分云はずお勇は否々いや/\えんと云者は然樣さう致した者では御座りません然し御内儀おかみさんにならんと云ふ人がとし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「金三郎さんと言ったね、お前はどう思う——御内儀おかみさんの死んだことを」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
おそろしくしかつけたりこはい白眼にらめますから久兵衞ほど怕者こはいものは御座りません夫れに引替ひきかへ若い者重助は誠に好者よきものにて若旦那々々々と云て大事にしてくれますと申すに越前守殿夫れにて分つたりさがれ/\と申されしかば私しの御内儀おかみさんは呉々くれ/″\御歸おかへくださいましと言つゝ白洲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)