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公邊
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おかみ
見付けしに
相違なければ
公邊へ訴へ
何處迄も黒白を分け申べしと
片意地張て持參金を
返濟せぬ
工夫をなすに忠八も
側より日頃又七樣下女に手を
持て我が
寢所へ來りし故
怪敷思ひ
片蔭に
隱れて
窺ひしに
夜着の上より我を
刺候樣子に付き
取押へて繩を
掛しなり
此儀公邊へ
訴へ此者を
吟味致さんと云ひけるを
背ける故傳吉は
最早耐難く之れにある昌次郎殿に相違なし
慥かなる
證據もある上は
爭はず金子を返し候へ萬一爭ひ給はゞ
公邊へ訴へ
黒白を分ねば相成ずと言ければ忽ち昌次郎は
眞赤に成て座を