女児むすめ)” の例文
旧字:女兒
主人と妻と女児むすめと、田のくろ鬼芝おにしばに腰を下ろして、持参じさん林檎りんごかじった。背後うしろには生温なまぬる田川たがわの水がちょろ/\流れて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何と挨拶あいさつもし兼ねて手持ちぶさたにさかずきを上げ下げして居しが、そののちおのが細君にくれぐれも女児むすめどもには書物を読み過ごさせな、高等小学卒業で沢山と言い含められしとか。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
燻炭くんたん肥料ひりょうと云う事が一時はやって、芥屑ごみくず燻焼くんしょうする為に、大きな深い穴が此処其処に掘られた。其穴の傍で子を負った十歳の女児むすめと六歳になる女児が遊んで居たが、誤って二人共穴に落ちた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
子供等は玉川から電車で帰り、主人夫妻は連れて往った隣家の女児むすめと共に、つい其前々月もらって来た三歳の女児をのせた小児車しょうにぐるまを押して、星光を踏みつゝ野路のじを二里くたびれ果てゝ帰宅した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)