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暴
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やけ
ふりがな文庫
“
暴
(
やけ
)” の例文
商人
(
あきんど
)
は
暴
(
やけ
)
になつて強くマツチを振つた。火はどうしても消えなかつた。すると、支那人のなかから
予
(
かね
)
て顔馴染の男がづかづか近寄つて来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかし
熟々
(
つらつら
)
見て
篤
(
とく
)
と
点撿
(
てんけん
)
すると、これにも
種々
(
さまざま
)
種類のあるもので、まず
髭
(
ひげ
)
から書立てれば、口髭、
頬髯
(
ほおひげ
)
、
顋
(
あご
)
の
鬚
(
ひげ
)
、
暴
(
やけ
)
に
興起
(
おや
)
した
拿破崙髭
(
ナポレオンひげ
)
に、
狆
(
チン
)
の口めいた
比斯馬克髭
(
ビスマルクひげ
)
、そのほか
矮鶏髭
(
ちゃぼひげ
)
、
貉髭
(
むじなひげ
)
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
博士は
胸算用
(
むなさんよう
)
をしながら、
暴
(
やけ
)
に
洋杖
(
ステツキ
)
を
揮
(
ふ
)
りまはした。
洋杖
(
ステツキ
)
が何かに当つたやうに思つてよく見ると、それは電信柱であつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そして楽器を手に取り直したと思ふと、
暴
(
やけ
)
に椅子の背に叩きつけた。楽器は女に
騙
(
だま
)
された男の心の臓のやうにこなこなになつて砕けてしまつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
聴衆
(
ききて
)
は
越瓜
(
しろうり
)
のやうに真つ青になつて
顫
(
ふる
)
へた。
暴
(
やけ
)
な音楽家もあつたものだと我鳴りちらしてゐる男もあつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
と言ひ/\、片手を髪の毛のなかに突つ込んで、なかから兎でも追ひ出すやうに、
暴
(
やけ
)
に
引
(
か
)
つ
攪
(
か
)
きまはす。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そして禿げかゝつた額際を
暴
(
やけ
)
に掻きながら「その二見が浦の真中から、海老が頭を出して、日の出を拝んでるところを
描
(
か
)
いて戴きたいんですがね、
如何
(
いかゞ
)
でせう、御都合は。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「見窄らしいよ、何と言つたつて見窄らしいよ。」と友達は
暴
(
やけ
)
になつて
喚
(
わめ
)
いた。「第一君の
阿父
(
おやぢ
)
の事を考へて見給へ、
阿父
(
おやぢ
)
さんは何処へ出るにもちやんとした
身装
(
みなり
)
をしてゐたよ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
箏曲家の鈴木鼓村氏は
巨大胃
(
メガロガストリイ
)
を
有
(
も
)
つた男として聞えてゐる人だが、氏は風邪にかゝると、五合
飯
(
めし
)
と味噌汁をバケツに一杯食べて、それから
平素
(
ふだん
)
余り好かない煙草を
暴
(
やけ
)
に吸ふのださうな。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かうして高浜氏は
続
(
つゞ
)
け
様
(
ざま
)
に五六枚ばかし
暴
(
やけ
)
に引裂いた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
若い法学士は侮辱されたやうに、
暴
(
やけ
)
にいきり立つて
酒
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
若い法学士は侮辱されたやうに、
暴
(
やけ
)
にいきり立つて
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“暴”の意味
《名詞》
(ボウ) 荒々しいこと。乱暴であること。また、そのさま。
(ボウ) 道理にはずれていること。不法であること。また、そのさま。
《形容動詞》
(あかしま、あからしま) にわかなさま。急なさま。あからさま。
(出典:Wiktionary)
暴
常用漢字
小5
部首:⽇
15画
“暴”を含む語句
暴露
暴風
暴風雨
自暴自棄
粗暴
暴雨
兇暴
大暴風
暴虐
大暴風雨
狂暴
乱暴狼藉
暴騰
暴動
暴出
自暴
乱暴
暴戻
亂暴
暴々
...