さけ
少し前の事だが、Kといふ若い法学士が夜更けて或料理屋の門を出た。酒好きな上に酒よりも好きな妓を相手に夕方から夜半過ぎまで立続けに呷飲りつけたので、大分酔つ払つてゐた。 街灯の灯も点つてゐない真ツ暗がりに、Kは自分の鼻先に脊のひよろ高い男が立 …
題名が同じ作品
(新字新仮名)正岡子規 (著)