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焼
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やき
ふりがな文庫
“
焼
(
やき
)” の例文
旧字:
燒
「おい君も一つ
食
(
く
)
つて見ろ」と与次郎が
箸
(
はし
)
で
撮
(
つま
)
んで
出
(
だ
)
した。
掌
(
てのひら
)
へ載せて見ると、馬鹿貝の
剥身
(
むきみ
)
の
干
(
ほ
)
したのをつけ
焼
(
やき
)
にしたのである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
草
(
くさ
)
を
刈
(
かる
)
鎌
(
かま
)
をさへ
買求
(
かひもとむ
)
るほどなりければ、火の
為
(
ため
)
に
貧
(
まづし
)
くなりしに家を
焼
(
やき
)
たる
隣家
(
りんか
)
へ
対
(
むか
)
ひて
一言
(
いちごん
)
の
恨
(
うらみ
)
をいはず、
交
(
まじは
)
り
親
(
したし
)
むこと常にかはらざりけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「けさ柳橋で顔を合せると——お
膝元
(
ひざもと
)
の殺しを知らずにいるようじゃ、銭形の親分も
焼
(
やき
)
が廻ったね——て言やがる」
銭形平次捕物控:125 青い帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
天窓
(
あたま
)
の大きな、
頤
(
あご
)
のしやくれた、
如法玩弄
(
にょほうおもちゃ
)
の
焼
(
やき
)
ものの、ペロリと舌で、
西瓜
(
すいか
)
喰
(
く
)
ふ
黒人
(
くろんぼ
)
の人形が、ト赤い目で、
額
(
おでこ
)
で
睨
(
にら
)
んで、灰色の
下唇
(
したくちびる
)
を
反
(
そ
)
らして
突立
(
つった
)
つ。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
午前十時が
鶏卵
(
けいらん
)
半熟
(
はんじゅく
)
一つと
焼
(
やき
)
パン二十瓦即ち五匁、
昼食
(
ちゅうじき
)
がよく叩いたビフステーキ百瓦即ち二十五匁、砕きたる
馬鈴薯
(
じゃがいも
)
二百瓦即ち五十匁、
飴
(
あめ
)
二十瓦即ち五匁
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
むこうで
人足
(
にんそく
)
たちが、
焼
(
やき
)
するめと
焼米
(
やきごめ
)
を
頬
(
ほお
)
ばっているのを見て
伊部熊蔵
(
いのべくまぞう
)
、それが
欲
(
ほ
)
しい
謎
(
なぞ
)
だろうとさっして
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汁粉屋の茶碗というけれども、さすがに維新前に出来たものだけに、
焼
(
やき
)
も
薬
(
くすり
)
も悪くない。
平仮名
(
ひらがな
)
でおてつと大きく書いてある。私は今これを自分の茶碗に
遣
(
つか
)
っている。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ギラギラと、見る者の眼底に
焼
(
やき
)
つく様な生気を持っていたことも、不思議と云えば不思議であった。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「お前のような人間が藝術家になるのさ。どら
焼
(
やき
)
を焼くよりか餘っぽどいゝわ。」
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ぬけろじの中程が恰度、
麺包屋
(
ぱんや
)
の裏になっていて、今二人が通りかけると、戸が少し
開
(
あい
)
て居て、内で麺包を
製造
(
つく
)
っている処が能く見える。其
焼
(
やき
)
たての
香
(
こうば
)
しい
香
(
におい
)
が
戸外
(
そと
)
までぷんぷんする。
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
これは近所の
石手寺
(
いしてでら
)
といふ名刹の門前に『お
焼
(
やき
)
』といふ名物の焼餅を売つてる。
坊つちやん「遺蹟めぐり」
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
同じ露店の大道商人となるとも自分は髭を生し洋服を着て演舌口調に医学の説明でいかさまの薬を売ろうよりむしろ黙して裏町の
縁日
(
えんにち
)
にボッタラ
焼
(
やき
)
をやくか
糝粉細工
(
しんこざいく
)
でもこねるであろう。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
焼
(
やき
)
の廻ったナポレオン三世に踏襲されて朝鮮で最後の実を結ぼうという瞬間に、虎手八百で
躓
(
つまず
)
いたばかりに永遠に駄目になったのだから、この戦、偶然の勝利とはいえ決定的な勝利になった。
撥陵遠征隊
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
「命からがら引上げて来ましたが、いや今度という今度は
失敗
(
しくじり
)
つづき、先生のところで
失敗
(
しくじ
)
って、それから坊さんでまた失敗りました。こうなっちゃ、がんりきも
焼
(
やき
)
が廻って、少々心細くなりました」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
けふの
夜食
(
やしよく
)
も
焼
(
やき
)
パンにジヤムと
牛乳
(
ミルク
)
を
購
(
か
)
はんとぞ思ふ。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
最早
(
もう
)
それはいひツこなしとゝめるも
云
(
い
)
ふも一
ト
筋道
(
すぢみち
)
横町
(
よこちやう
)
の
方
(
かた
)
に
植木
(
うゑき
)
は
多
(
おほ
)
しこちへと
招
(
まね
)
けば
走
(
はし
)
りよるぬり
下駄
(
げた
)
の
音
(
おと
)
カラコロリ
琴
(
こと
)
ひく
盲女
(
ごぜ
)
は
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
朝顔
(
あさがほ
)
か
露
(
つゆ
)
のひぬまのあはれ/\
粟
(
あは
)
の
水飴
(
みづあめ
)
めしませとゆるく
甘
(
あま
)
くいふ
隣
(
となり
)
にあつ
焼
(
やき
)
の
塩
(
しほ
)
せんべいかたきを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
草
(
くさ
)
を
刈
(
かる
)
鎌
(
かま
)
をさへ
買求
(
かひもとむ
)
るほどなりければ、火の
為
(
ため
)
に
貧
(
まづし
)
くなりしに家を
焼
(
やき
)
たる
隣家
(
りんか
)
へ
対
(
むか
)
ひて
一言
(
いちごん
)
の
恨
(
うらみ
)
をいはず、
交
(
まじは
)
り
親
(
したし
)
むこと常にかはらざりけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その藪の前の
日向
(
ひなた
)
に、ぼったら
焼
(
やき
)
の荷に
廂
(
ひさし
)
を掛けたほどな屋台を置いて、おお! ここに居る。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雉子
(
きじ
)
の
股
(
もも
)
や、小鳥のくし
焼
(
やき
)
を売っている老婆のそばで、べつな男は、大きな
酒瓶
(
さかがめ
)
を、道ばたにすえ、自分も飲んで、酔って、歌いながら、実は目的の、酒売りをやっている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先ずボッタラ
焼
(
やき
)
の種位なドロドロの物にして別に三つ分の玉子の白身をよく泡立てて混ぜて
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
流石の名探偵も少し
焼
(
やき
)
が廻ったぜ。君は僕らが物見台を持っていないと思っているのかい。君はまさか大仏様の額にはめてある厚板ガラスの白毫を見落した訳ではあるまい。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
秦亀
(
しんき
)
は山中に
居
(
を
)
るものなり、ゆゑに
呼
(
よん
)
で山亀といふ。春夏は
渓水
(
けいすゐ
)
に遊び秋冬は山に
蔵
(
かく
)
る、
極
(
きはめ
)
て長寿する亀は是なりとぞ。又
筮亀
(
ぜいき
)
と一名するは
周易
(
しうえき
)
に亀を
焼
(
やき
)
て占ひしも此亀なりとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
かれの
焼
(
やき
)
がもどったことは、そのまま元禄という一時代を、
糜爛
(
びらん
)
させてしまった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まるで
蛇
(
へび
)
の眼の
瞳孔
(
どうこう
)
の様に、生々しく私の記憶に
焼
(
やき
)
ついている。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
サワラの
照
(
て
)
り
焼
(
やき
)
夏 第百五 世の流行
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
秦亀
(
しんき
)
は山中に
居
(
を
)
るものなり、ゆゑに
呼
(
よん
)
で山亀といふ。春夏は
渓水
(
けいすゐ
)
に遊び秋冬は山に
蔵
(
かく
)
る、
極
(
きはめ
)
て長寿する亀は是なりとぞ。又
筮亀
(
ぜいき
)
と一名するは
周易
(
しうえき
)
に亀を
焼
(
やき
)
て占ひしも此亀なりとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
焼
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“焼”を含む語句
火焼
焼麺麭
焼酎
焼火
生焼
焼畑
夕焼
蒲焼
素焼
焼餅
焼刃
岡焼
高麗焼
焼死
焼棄
焼焦
焼痕
焼捨
類焼
鯛焼
...