やき)” の例文
新字:
いしくもまをされた。……のこらずつけやきのおあつらへは有難ありがたい、とおもふと、はうのふちをあかくしながら、あんこばかりはちつくすぐつたい。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「今朝柳橋で顏を合せると——お膝元の殺しを知らずにゐるやうぢや、錢形の親分もやきが廻つたね——て言やがる」
なんといふお幸福しやわせやきもちやいてうらやみますぞや、そのおひとてられたらおまへさままあなんあそばす、おきなさるはおはらがたつか、おおこりになつてもよし、たみは申だけは申ます
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
成故に汝死す共云べからず其子固く父の命をまもる官吏やくにんを以て其たいやき種々しゆ/″\責問せめとふと雖もつひに言ずして死すと云夫と是とは變れども陸尺ろくしやく七右衞門は卑賤者いやしきもの似氣にげなく豪侠がうけふにして
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ふ。天窓あたまおほきな、あごのしやくれた、如法玩弄によはふおもちややきものの、ペロリとしたで、西瓜すゐくわ黒人くろんぼ人形にんぎやうが、トあかで、おでこにらんで、灰色はひいろ下唇したくちびるらして突立つゝたつ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
重四郎知れたこと夫三兩と投出せば彌十は其かね請取うけとりつゝ大いによろこればすつぽりやきませうと申にぞ兩人は夫なら彌十頼んだぞ彌十御案事ごあんじなされますなと三人の死骸しがいあつめて火屋へいれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きやうさん母親おふくろ父親おやぢからつきりあていのだよ、おやなしでうまれてがあらうか、れはうしても不思議ふしぎでならない、とやきあがりしもち兩手りやうてでたゝきつゝいつもふなる心細こゝろぼそさを繰返くりかへせば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
空腹すきばらへ、秋刀魚さんまやきいものごときは、第一だいいちにきくのである。折角せつかく結構けつこうなる體臭たいしうをお持合もちあはせの御婦人方ごふじんがたには、あひすまぬ。が……したがつて、はらひもしないで、かせまをした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さるほどに、美人びじんたちの寄附きふによつて、づらりとあつたかいものがならんで、金屏風きんびやうびもキラ/\とかゞやわたり、やきのりをたていて心配しんぱいしてた、藤村ふぢむらやさしい妹分いもとぶんも、うれしさうなかほをした。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)