“矢来町”の読み方と例文
旧字:矢來町
読み方割合
やらいちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その一つは端書はがきで「今朝ハ失敬、今日午後四時頃夏目来訪只今(九時)帰申候。寓所ハ牛込矢来町やらいちょう三番地あざ中ノ丸丙六〇号」
子規自筆の根岸地図 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
暑中休暇には二人連れで三日ばかり箱根はこねへ出掛ける。郊外の家はその前に畳んで牛込うしごめ矢来町やらいちょうに移っていたので、毎晩手をひきつれて神楽阪かぐらざかの夜店を見歩く。二人の新婚生活は幸福であった。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
帰朝当座の先生は矢来町やらいちょうの奥さんの実家中根なかね氏邸に仮寓かぐうしていた。自分のたずねた時は大きな木箱に書物のいっぱいつまった荷が着いて、土屋つちや君という人がそれをあけて本を取り出していた。
夏目漱石先生の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)