“びき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ビキ
語句割合
41.9%
美姫23.3%
17.4%
5.8%
4.7%
3.5%
1.2%
1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その代りにその土の下から小さな蝉が何びきも何疋も這い出して来て、その樫の木に掴まって、夜が明けてから日の暮れるまで
ツクツク法師 (新字新仮名) / 夢野久作香倶土三鳥(著)
あらゆる暴虐ぼうぎゃくいた身を宮殿をしのぐような六波羅ろくはらの邸宅の黄金こがねの床に横たえて、美姫びきを集めて宴楽えんらくにふけっております。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「いえ……その……金魚きんぎょですよ。こいつは三びきともかなり上等じょうとうのランチュウです。んでしまつているから、どうもしいことしたとおもいまして」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
わたしが妻籠つまごの青山さんのお宅へ一晩泊めていただいた時に、同じ定紋じょうもんから昔がわかりましたよ。えゝ、まるびきと、木瓜もっこうとでさ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
仇吉あだきちだったか、よね八だったか、女が、小梅の茶屋で、情人いろの丹次郎を待ちあわせている。……逢いびきの待つが長く、じれぎみになっているうちに、男の影が、小梅田ン圃の彼方あなたに見えてくる。
梅ちらほら (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土手の方からさっと来たが、都合三輛か、それあるいは三びきか、三びきか、つばめか、兎か、見分けもつかず、波の揺れるようにたちまち見えなくなった。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「こう、漁師りょうしたち。すずきでも鯉でもいいや、見事なやつを、二、三びきってよこしねえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「魚ですよ。事の起りは、魚だったじゃありませんか。張順、二、三びきくれないか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九時二十分頃、呂昇が出て来て金屏風きんびょうぶの前の見台けんだい低頭ていとうした。びきは弟子の昇華しょうか。二人共時候にふさわしい白地に太い黒横縞くろよこしま段だらの肩衣かたぎぬを着て居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
二人びきの車が泥塗どろまみれになって、入って来た。車から下りた銀杏返の若い女は、鼠色のコオトをぬいで、草色の薄物うすもので縁に上り、出て来た年増としまの女と挨拶して居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)