びき)” の例文
びきのありは、あまり不意ふいなことにびっくりしましたが、がついたときには、あかうえって、かわうえながれていたのです。
三匹のあり (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いえ……その……金魚きんぎょですよ。こいつは三びきともかなり上等じょうとうのランチュウです。んでしまつているから、どうもしいことしたとおもいまして」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ねずみが二三びきがた/\とさわいで、なにかでおさへつけられたかとおもふやうにちう/\とくるしげなこゑたていた。おつぎは手探てさぐりに壁際かべぎは草刈鎌くさかりがまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すっかりかんしゃくをおこしてぷんぷんしながらげようとしますと、ひょっこり、親子おやこびききつねながいすすきのかげにかくれているのをつけました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
岩魚いはなだいを三びきつて咽喉のどかはかすやうな尋常じんじやうなのではない。和井内わゐない自慢じまんのカバチエツポのふとつたところを、二尾ふたつ塩焼しほやきでぺろりとたひらげて、あとをお茶漬ちやづけさら/\で小楊子こようじ使つかふ。……
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あんまりないが、子供の時、小梅こうめ釣堀つりぼりふなを三びき釣った事がある。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いているかみのさきから、ツイと、水馬みずすましが二、三びきおよいだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けた松の植込みの向うを裸馬はだかうまが何びきかれて通る。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
一、盆と暮と金千びきずつ納むべし。
慶応義塾新議 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おんまは三びき
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
それにつけて、三びきのありは、父母ふぼのすんでいる故郷こきょうを、こいしくおもったのです。けれど、いくらおもっても、かえることができませんでした。
三匹のあり (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、んだ金魚きんぎょが三びきで一万円まんえんはしたろうということや、自分じぶん月給げっきゅうすくなく、とてもあんなのはえないということを、くりかえし同僚どうりょうはなしたし、また事件発見者じけんはっけんしゃ島本医学士しまもといがくしにまで
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ゆうちゃんは、かえりに、ふなを三びきもらって、ブリキかんのなかへいれてげながら、おかあさんのない木田きだくんのことをかんがえつつあるいてきました。
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
利息りそくの一としてなるつたけ上等じょうとう金魚きんぎょをもつてこいつて、いやがるんです。わたしは、しゃくだから、三びきでせいぜい五千円せんえんというランチュウを、三万円まんえんだとふつかけてつてつたんですが……
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
びきのありは、いつか、みんながおとうさんになったのであります。そして、三びきのありにも子供こどもがたくさんまれました。
三匹のあり (新字新仮名) / 小川未明(著)
にんのものは、それぞれあかいそりにりました。そして、二、三びきずつのいぬが、一つのそりをひくのでした。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かわいいね。ぼくにもおくれよ。」といって、学校がっこうへおともだちがってきたのを三びきもらいました。
正ちゃんとおかいこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
このせい一は、おじいさんのいったように、わずかにちいさなふなを二ひきと、えびを三びきったばかりでした。夕飯ゆうはんのとき、おかあさんが、おじいさんの、今日きょうはなしをおきかせなされると
窓の内と外 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「三びきせんにおまけしておきますよ。」と、おじいさんはいいました。